本学は、平成15年度に教育研究の充実及び支援体制の強化を図るため、既存のセンター等を統合・再編成し、大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター及び自然科学研究支援開発センターを設置しました。また、ベンチャービジネスの教育研究の活性化を図るため、インキュベーションセンターを設置しました。     

大学院生物圏科学研究科附属
瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター
持続的環境保全型生物生産の教育・ 
研究と普及・情報発信の拠点
文・寺 田 隆 登

(TERADA, Takato)
大学院生物圏科学研究科附属
瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター長
 従来、生物生産学部の附属であった「農場」、「水産実験所」を統合再編成して大学院生物圏科学研究科附属「瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター」として新設されました。本センターは、循環型社会経済部門と陸域生物圏部門を置く西条ステーションと海域生物圏部門を置く竹原ステーションとで構成されています。センターは研究科の基本理念に基づいて、中国山地から瀬戸内海までのフィールドを一体化した対象とし、自然環境と社会との調和を図りつつ、陸域及び海域の持続的な生物・食料生産システムを確立し、効率的な循環型社会の創成を目指します。さらに、この問題の最前線を担う包括的な視野と能力を持つ人材を育成するため、センターは大学院の生物圏科学研究科ならびに生物生産学部の教育を担当し、フィールドワークを重視した現場対応型、問題解決型の教育を行います。研究面では現場にそくした問題解決型応用研究を推進し、教育研究の両面において学内外との連携を強化し、瀬戸内圏の特長を生かした新たなフィールド科学の構築を推進します。


自然科学研究支援開発センター
先進科学研究を支える 
 センターを目指して 
文・藤 井 博 信

(FUJII, Hironobu)
自然科学研究支援開発センター長
4月4日の開所式にて
 平成15年4月より、自然科学系の学際研究センターとして、広島大学に自然科学研究支援開発センター(Natural Science Center for Basic Research and Development: N-BARD)が設置されました。このセンターは、既存の教育研究支援施設・センター(遺伝子実験施設、医学部附属動物実験施設、低温センター、機器分析センター、アイソトープ総合センター)を統合し、全学的な立場から高度先端機器や設備を整備し一元的に管理・運営することによって、生命科学、健康科学、物質科学、環境科学などの学際的発展を可能とする教育研究支援体制を構築するとともに、新しい医療や生命科学に関するプロジェクト研究や環境に調和した物質機能関連のプロジェクト研究を推進します。
 今年度はホームページを充実し、インターネットによる動物・植物実験、遺伝子実験、放射性同位元素実験、寒剤供給などの申し込み、高度先端高性能機器の共同利用や先端機器による依頼分析などサービス向上に努め、全学のご期待に応えるセンターを目指して活動していく所存です。今後ともご支援賜りますよう御願い申し上げます。


インキュベーションセンター
大学発ベンチャービジネスの 
         サポート 
文・山根 八洲男

(YAMANE, Yasuo)
インキュベーションセンター長
インキュベーションセンター
 インキュベーションセンターは大学発ベンチャービジネスの促進を目的に平成15年四月現在13の国立大学に設置が認められ、広島大学では地域共同研究センターに隣接して建設されました。インキュベーションには抱卵、孵化という意味があり、本センターは大学発のベンチャービジネスの誕生前後のサポートと言う役割を担います。センターには約50m2の研究開発室が8室と起業をサポートする支援室および事務室があり、単に研究スペースを提供するだけでなく、起業のための各種サポートも予定しています。大学発のベンチャービジネスには、教官が自分の研究成果を元に起業する場合、研究成果を学外に技術移転して起業を依頼する場合、学生が起業する場合、など幾つかの形態が考えられますが、広島大学では技術移転型を含めこれまで教官が係わった起業は平成12年以来7社にのぼります。センターではこれを大幅に増やすべく出来る限りの支援を行いたいと考えています。皆様のご支援をお願いします。



広大フォーラム2003年6月号 目次に戻る