広島大学の社会連携
 〜専門家の再教育と地域に開かれた心理教育相談〜
大学情報サービス室

心理臨床教育研究センター
 広島大学では、大学院教育学研究科の附属施設として心理臨床教育研究センターを設置し、臨床心理学の研究成果を生かして、専門家対象のセミナーや心理教育相談を行っています。
 今回は、このセンターの活動についてご紹介します。

教育・研究と研修・相談機能の一体化
 このセンターは、臨床心理士養成のための大学院心理臨床学コースのトレーニングセンターとして、平成14年度に新たに設置されました。
 臨床心理学領域の先端的研究を行い、その研究成果を基に院生の教育訓練を行うという機能に加えて、社会人の心理臨床の専門家の再教育や地域の方々への相談にも対応している点にその特色があります。

社会人の再教育
 社会で実際に活躍されている現職の心理臨床の専門家に対する再教育や研修を行うと同時に、現場の経験や情報を受け入れて大学での研究や教育に反映させていくことをめざしています。
 具体的には、昨年度から年二回のセミナーを開始しており、臨床心理士や教師、児童福祉施設の職員、医療関係者など幅広い方々に参加いただいています。昨年度は「子供の心理療法」をテーマとし、今年度は地域住民の「こころの健康」を取り上げる予定です。
 このような専門教育への要望は強く、今後、地域の現場で求められているテーマを取り上げて、社会人の再教育機会を広げていきたいと考えています。

地域の方々を対象とした心理教育相談
 センターでは、広島大学での臨床心理学の研究成果を活用して、地域の一般の方々を対象とした心理教育相談も受け付けています。
 相談は原則有料となっており、文部科学省が定めた相談料金をいただいています。
 相談は原則として週一回50分で、必要ならば長期間継続することもできます。

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[相談内容]発達の遅れやしつけの問題、いじめや不登校など幼児・児童生徒の心の問題が主ですが、家族や夫婦の問題、仕事上の問題やストレスなど心の問題全般に幅広く対応しています。
[予約受付]完全予約制です。事前に電話で予約をお願いします。月曜〜金曜日(祝祭日除く)午前十時〜十二時、午後一時〜四時。金曜日は午前のみ。
[電話](0824)24-6778
[相談場所]広島大学東広島キャンパス内の大学院教育学研究科A棟八階
[相談料金]初回面接3,600円です。その後は相談内容によって2,000円から3,800円となっています。

社会と結びついた実践的な教育研究
 このように、先端的な研究と教育を地域社会に広げていくことにより、臨床心理学分野において社会に貢献すると同時に、実践の中で研究と教育の成果をより高めていくことをめざしています。


広島大学の社会連携

 大学は研究を行いその成果を基に学生を教育することを本務としていますが、社会人の再教育や地域社会への貢献も重要な役割であり、社会との連携を進めていくことが教育・研究の活性化にもなると考えています。
 この「広島大学の社会連携」では、広島大学のそのような取り組みをシリーズでご紹介しています。

社会連携に興味のある学生募集
 キャンパスツアーや子どもわくわくプロジェクトなど、地域との連携事業を手伝ってくれる学内の学生を募集しています。大学情報サービス室、内線6134、橋本・匹田までご連絡下さい。


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