しかし、あったんです、そんな蛍の出るような場所が。ちょうど理学部と情報メディア教育研究センターの間の林の中に。自然の草花、稲の切り株、木の橋、藤の花。これこそ蛍があらわれるような人里の風景って言いたくなるような場所でした。 さらにそこでは、学内の人の声、車の音などは全く届いてこずに、小川を流れる水の音、小さな池から魚の跳ねる音といった、なかなか日常生活では聞くことの出来なくなった自然の音を耳にすることが出来るのです。 私達が訪れたときは、まだ蛍のシーズンには早過ぎたため、残念ながら見ることは出来ませんでしたが、六月上旬から中旬にかけて、側を流れる小川のほとりで蛍に出会ったという話を聞きました。 構内に、こんなに心が落ち着き、なぜだか懐かしくもなるような、こんな場所が存在しているとは思いもしませんでした。そして、広島大学が移転してくる前は、おそらくこの辺り一帯、この様な風景が広がっていたのではないだろうかと、昔の東広島を考えずにはいられませんでした。 学生リポーター 松川真由美(経済学部二年) |