科学わくわくプロジェクト本格実施
〜地域と大学が科学教育で連携〜
文・科学わくわくプロジェクト研究センター


サイエンスレクチャーの様子。写真は酸素の液化実験

ジュニア科学塾での電流と磁界の実験風景

わくプロのHP
 http://home.hiroshima-u.ac.jp/wakupro/
 広島大学とマツダ財団が連携した「科学わくわくプロジェクト(わくプロ)」が本格的に稼動し始めました。
 この事業は、広島大学の社会連携活動の一環として、マツダ財団の資金と広島大学の人的・物的資源を活用して行うものであり、複数学部が協力した社会との組織的・継続的連携活動として、全国的にも注目されています。 
 平成十四年度に幼小中高校や科学館関係者と本学教員などが科学教育の議論を行い、昨年度の一部試行を経て、本年度から五年計画で年間一千万円の事業費で本格スタートしました。

サイエンスレクチャー 
 中学生を対象に、科学の楽しさ・奥深さを、実験なども盛り込んで分かりやすく解説します。
 本年度は、八月五日に広島市こども文化科学館において、「極低温の不思議な世界を探ろう―絶対零度と超伝導―」と題して、大学院先端物質科学研究科の鈴木孝至教授が、多様な実験を通じて極低温の奥深い世界を興味深く説明しました。
 舞台での実験と同じものを、客席内四か所に設置した実験卓でも同時進行して身近に見せたり、中学生も舞台の実験に参加させるなどの工夫で、約二百人の参加者を終始引き付けました。

科学塾・ジュニア科学塾
 一人の教員が少人数の生徒に、特定のテーマを朝から夕刻まで四回シリーズで指導して、科学する心を掘り下げようとする取り組みです。今年は八月から九月にかけて実施しました。
 科学の松下村塾をめざしており、中学生向けのジュニア科学塾と高校生向けの科学塾があります。大学院理学研究科の大杉節教授を塾長に、本学の学部生・大学院生や中学高校の教員も参加して指導に当たります。
 今年のジュニア科学塾は、「電気の正体を探ろう!」を、科学塾は「宇宙の全て(宇宙構造、銀河、太陽系、地球、生命)の在りようを決めている六つの物理定数について」をテーマに実施しました。ジュニア科学塾では、合宿も盛り込みました。

小学理科ネット
 小学校の先生のための、理科教育に関する質問のできるウェッブサイトです。大学の教員や現場の先生方が回答します。
 小学校の理科授業をもっと楽しくするお助け部屋をめざしています。今後、より幅広い情報交換のできる場として発展させていく予定です。
 このほかにも、民間団体との科学体験事業の共同開発事業や資金助成などを行っています。
 大学の人材や施設・設備と民間の資金を活用することにより、科学教育の発展に貢献し、地域の可能性を広げていきたいと考えています。
 みなさまのご協力をお願いします。


広大フォーラム2004年10月号 目次に戻る