広大発、平和 〜広島大学全学シンポジウムを終えて〜 平和シンポジウム実行委員会学生委員 |
開催のきっかけ そもそも平和についての全学シンポジウムを開催することになったのは、広島大学が「平和を希求する精神」を理念として唱えているのに、現在まで具体的な活動はあまり行ってこなかった、という認識からでした。広島大学の全ての教職員と学生が一緒に、「平和について何を学びたいのか」「広大は平和について何を教えればよいのか」ということを考え、そして具体的に動いていかなければならない、その、大学全体で「考え、行動する」ことのきっかけになるよう、今回、シンポジウムを開催することとなったのです。 初の試み―学生のつくるシンポジウム このシンポジウムの特徴の一つは、学生が企画・運営に携わったことです。学生は平和についてどのような授業を望んでいるのか、という問いに対する意見を聞くため、三つある分科会のうち一つを学生が企画しました。環境問題、国際交流などに取り組むサークルの代表者による発表と、その後、四つのテーマ「平和とは何か」「どのような授業形態がよいのか」「学生の社会貢献」「アンケートの結果(事前に日本、中国、アメリカの大学生に平和について尋ねたもの)を見ての意見交換」のいずれか、参加者が興味のあるグループに分かれてディスカッションを行いました。学生、教員、職員、取材に来た記者など、さまざまな経歴を持った参加者による活発な意見交換が行われました。普段は話すことのない人と普段あまり話し合うことのないテーマについて議論できたことは非常によかったと思います。また、会場から気軽に意見を出してもらうため、携帯電話から意見をBBS(電子掲示板)に書き込み、即時にスクリーンに映し出す、という方法も使いました。この分科会について、参加者からもディスカッションが楽しかったという声が多数寄せられました。 運営の中心となった実行委員会は、学部・学年の壁を越えた教職員四名と学生十七名から構成され、連日話し合いや作業を行いました。活動を開始したのは今年七月からで、学生はポスターなどでの募集により集まりました。当日は学生ボランティア四十五名が、急な呼びかけ、厳しい日程にもかかわらず協力してくれました。彼らの協力がなければこのシンポジウムは成功しなかったでしょう。開催にたどり着けたのは、このようにさまざまな人と知り合い、協力できたからだと考えています。 私たち学生がどんなシンポジウムにしたいか、今後の平和についての授業や広大の取り組みをどうしたいか、ということを考え、実現できる、ということは大変面白いことでした。今後も、大学の様々な行事に、教職員だけでなく学生もアイデアを出して、運営に参加できるようになれば、よりおもしろいものになっていくのではないでしょうか。 勉強会に参加しませんか? シンポジウム終了後、毎週木曜日に勉強会を行っています。これには、実行委員の学生だけでなく、シンポジウムに参加し、興味を持った人も参加しています。勉強会では「平和とは何か」「平和を学ぶとは何を勉強することなのか」ということを考えています。また来年度から、新しく平和に関する授業が開設されます。私たちがどのような授業に参加したいか、どのようなことについて学びたいのか、ということもこの勉強会を発端に、学生の視点から提案を行っていく予定です。 平和や授業について、様々な人と語ることが出来れば嬉しい、と思っています。学生の皆さん、教職員の皆さん、是非気軽に参加してみてください。
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