文・谷口 幸三
( TANIGUCHI, Kozo )
大学院生物圏科学研究科
副研究科長(教育担当)


取組の概要図
 2004年度から始まった文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」では、「地域活性化への貢献」、「知的財産関連教育の推進」、「仕事で英語が使える日本人の育成」、「他大学との統合・連携による教育機能の強化」、「人材交流による産学連携教育」、「ITを活用した実践的遠隔教育」の六つのテーマについて、募集がありました。選定の結果、広島大学が中心となって共同申請した「大学間連携によるフィールド教育体系の構築―中国・四国地域の農学系学部をモデルとして」がその一つに採択されましたので、紙面をおかりして、概要を紹介します。
 この取組は、中国・四国地域における農学系学部を有する六国公立大学(広島大学、鳥取大学、岡山大学、山口大学、広島県立大学、愛媛大学)が連携して、人的、物的な教育資源を相互補完しながら、今後、益々重要となる生物資源を基にした食と環境に関わる総合的なフィールド教育の体系化を図るものです。対象は、各農学系学部の一、二年次生で、自大学にはないフィールド(山、里、海)分野について、受講、体験、調査、発表、学生間交流を行うことを計画しています。
 この取組によって、たとえば、広島大学生物生産学部の学生は、練習船「豊潮丸」による従来の「海のフィールド教育」以外に、新たに鳥取大学で行われる「演習林」での「山のフィールド教育」も受けることが可能になります。各大学とも、「地域の発展に貢献できる人材の養成」を教育目標に掲げており、また、学生の五割以上が中国・四国地域の出身者です。こうした総合的なフィールド教育が将来、地域貢献に何らかの形で役立つことを期待しています。

 皆様方のご協力をお願いいたします。


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