三浦克己さん
総合科学部
環境共生科学プログラム4年

―三浦さんは東広島キャンパスという枠に止まらず環境をキーワードに世界を回って見聞を広めていると聞きました。今までの海外経験を教えてください。

 父の祖国であるカナダには幼少時に何度か訪れ、大学三年の時に一年間留学しました。その後、半年かけて中米コスタリカ、パナマ、エクアドル、ペルー、イタリア、ギリシャ、トルコを訪れました。

―今回の海外放浪ではどんな体験をしましたか?

 コスタリカではジャングルを切り開いて作られたコーヒー農園や自給自足の村を訪ねました。また、エクアドルでは先住民の農作業ボランティアを経験しました。毎日違う家へ行って仕事を手伝い、昼には家族と一緒に昼食を食べるのです。昼食は主にバナナやイモを蒸したものでした。ユッカという根菜からつくるチーチャという地酒も向こうでは客が来ると必ず出されました。私は好き嫌いが無いのであまり不便は感じませんでしたね。

―ジャングルはどんなところでしたか?

 どの樹木も大きく、空が見えないほど鬱蒼と茂っていました。そして、多くの猿や、イグアナ、ナマケモノも見ました。現地の人と食料を買いに行った帰りに日が暮れてきて、遭難しそうになったこともあります。一番つらかったのは蚊が多くて足中刺されたことです。また、都市に比べて静かだろうと思っていたら大違いで、猿や鶏、カエルの鳴き声、雨の音や波の音と実は騒々しいところでした。

―旅をして自分自身が変わったと感じますか?

 例えば「何のために働くのか?」など、それまで自分が持っていた価値観が大きく変わったと思います。私が滞在した先住民の居住地では朝から昼まで働き、午後は労働はあまりしません。そして踊ったり、手工芸をしたり、近所の人々と話をしたりするのです。都市には無い、人と人とのつながりを感じましたし、「文化とは何か?」ということも考えました。

―将来の目標は?

 ジャーナリストになるのが目標です。表面だけの取材ではなく、現地の歴史や風土、自然を十分に分析、研究した上で文章と写真を通して人々に伝えることができるようになりたいと思っています。
(聞き手:広報委員 馬場雅恵)


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