学生リポーター通信・第13回
台風×台風

◆2004年は台風年

強風で根元から倒された木

ヒロダス
 今年はほんとうに台風の多い年でした。これまでの上陸記録六個をゆうに上回る10個も!(11月末日現在)特に、もう肌寒さを感じ始めた10月20日に上陸した台風23号。平成になって最大の被害をもたらし、人々にあらためて台風の脅威を知らしめることとなりました。
 数多く上陸した台風の中でも、ここ広島大学に最大の被害を与えたのは台風十八号です。このときは、校舎はもちろん、大学所有の各施設にその爪あとを残していきました。ちなみに、施設管理部によると、この台風による被害総額はなんと約八千万円にも及ぶそうです!
 また、広島市内では最大瞬間風速60・2メートルを観測したこの台風。「気象観測装置ヒロダス」によると、東広島キャンパスでも最大31・8メートル(注)の風が観測されています。

(注)大学院工学研究科の村川三郎教授による観測データ(A2棟屋上)では、測定場所にも影響を受けますが、37・8メートルが記録されています。

◆台風による問い合わせ
 平年よりも台風が多かったせいか、今年は地域の方やマスコミからの大学への問い合わせも多くあったようです。地域連携センターには、六十・二メートルの風を体感できる施設があるか、というマスコミからの問い合わせ。異常気象はなぜ引き起こされるのかを解説してくれる科学館を建設してほしいという地域の方からの要望。さらには、台風の風で飛ばされてきたトタン(倉庫の屋根なんかに使用されているあのトタン)を研究資料として提供しましょうか、というものまで。さまざまなものがあったそうです。

◆台風トリビア
 さて、ここで少し豆知識。皆さんは台風に名前があるのをご存知ですか?例えば、台風18号の名前は「ソングダー(SONGDA)」といい、ベトナムにある川の名前からつけられています。台風23号の「トカゲ(TOKAGE)」のように日本語でつけられる名前もあります。また、名前についてはもうひとつ面白い逸話があって、なんと台風の名前には引退があるのです。これは被害が大きい台風であった場合、その台風を他の台風と区別し、人々の記憶にとどめておくための制度です。理由はさておき、野球選手の背番号を永久欠番にするみたいでユニークですね。

◆ヒロダス
 上で登場した「気象観測装置ヒロダス」は理学部の南側にあります。
 以前、2003年6月号の「小耳を拝借」で取り上げた、東広島キャンパス構内で蛍を見られるところの近くです。普段あまり注目されることのないヒロダスにとって、今回は思わぬ登場の機会であったかもしれません。

◆2004年台風総まとめ
 台風がくると聞くと、いつもは少しドキドキしたり、何だか楽しい気分になったりもしますが、今年はそんな気分になることもなく…。ニュースなどで台風到来が告げられると、「またかよ!」とか「もう勘弁して!」といった気持ちが強くなり、憂鬱になるばかりでした。台風ひとつ来るだけで生活が乱され、自分の周りの風景も一変してしまいます。
 私たち学生だけでなく、教職員の方々も含め、みんなが「台風はもうこりごりだよ」という感想を持ったのではないでしょうか。来年のことはわかりませんが、少なくとも、今年よりはよい年になるといいですね。
学生リポーター 森尾 洋一(総合科学部一年)

*このコーナーでは、学生が小耳にはさんだ話題を学生の視点でお伝えします。


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