学生と共に支えた三年間  ・原田 妙子

( HARADA, Taeko )

広大フォーラム編集担当
情報化推進部情報企画グループ広報担当


●私の仕事

 一冊の『広大フォーラム』ができるまでには、原稿の数だけの執筆者、広報委員、業者など多くの人が関わっています。その間に立って、連絡、相談、確認、意見のとりまとめ、お願いなどをするのが事務担当者としての主な仕事です。全体の進捗状況の把握や発行までのスケジュール管理もしています。

●一文字の重み

 三年ほど前、フォーラムに携わって間もない頃にある失敗をしました。発行後に一つ誤字があることが分かり、いろんな方に迷惑をかけてしまったのです。「いったん印刷物として発行されると取り返しがつかない」。その怖さを痛感しました。それからは、「限られた状況の中での完璧」を目指して最後の最後までチェックするようにしています。

●学生と共に

 「取材したり文章を書いたりすることに興味ある?」「はい!」「じゃあ一緒にやってみる?」こんな会話から始まった、企画・編集への学生の参加。「教職員の常識」や「従来の枠」からはみ出した新鮮なアイディアや視点を、大学の広報誌という制約の中でどう生かし、実現させるか。また、学生には楽しく作業し、その中で「自分にとってのプラス」をできるだけ多く見つけてほしいけれど、具体的にどうすればよいのか。毎号そんなことを考え試行錯誤してきましたが、振り返ってみると、むしろ私の方が学生にたくさんの「プラス」をもらってきたような気がします。
 二年半の間に学生が担当する新しいコーナーがいくつかでき、今年度四月号では特集の企画から校正までほぼすべてを担当するまでになりました。モニターからの評判もよく、今や学生広報スタッフはフォーラム作成に欠かせない存在になっています。三十六年という長い歴史の中でも、学生が企画・編集に携わるようになったことは、一つの大きなターニングポイントになるのではないかと思います。

●これからも続く…

 毎号、発行された後は、大きな解放感と小さな達成感、そしてミスはないかな?というかすかな不安があります。学生と一緒に作ったページには特に愛着もあります。ですが、そんな編集側の思いと、実際にどれぐらい読まれているか、また、おもしろいと思ってもらえているかどうかは別の話です。
 来年度から『広大フォーラム』に代わる全く新しい広報誌が発行されますが、だからといって自然と読者が増え、興味を持って読んでもらえるようになるわけではないでしょう。『学内通信』の頃から今までずっと続いてきた、よりよい広報誌を作ろうという思いや努力は、名称や形、作り手がかわっても続いていくものだと思います。


広大フォーラム2004年12月号 目次に戻る