長い文章を好むのは執筆者と少数の読者だけで、学生を含む多数派はグラフィックとデザインで出版物を選びます。それに、千字の文章は必ず三百字に縮められます。縮めようのないほど完成度の高い文章はフォーラムで見たことがありません。文章を凝縮して余白を作り、デザインを考える編集がほとんどできなかったのは残念なことです。 一方、グラフィックの中心は写真ですが、情報量は刷り上がりのサイズに比例し縮めれば減るだけです。写真のもつ情報と訴求力を利用するには、まず大きな写真を少数、ゆったりと使うこと。そのためにはレイアウトが自由でなければなりません。そして、写真は印刷して人に見せることを意図した、思いやりのある写真でなければなりません。電子画像の場合十分な情報量と補正は不可欠です。 美しい出版物の基本は思いやりと引き算です。文章を縮め、良質のグラフィックを厳選する。これは大学の設計や運営にもきっと通じると思います。人の動線を無視したキャンパス、引き算は人員と予算だけ。世界のトップクラスの大学とはどんなものか?現実をみつめ、これまでの世界の大学シリーズをご覧ください。 |