世界の大学シリーズ74

ルーヴェン・カソリック大学 ベルギー


文・写真/白井憲一

(SHIRAI, Kenichi)
大学院医歯薬学総合研究科
顎口腔頚部医科学講座助手
ルーヴェン・カソリック大学工学部。ここで,筆者は週1回の割合で歯科材料の研究を行っていました。日本と比較すると学部を越えた共同研究がより頻繁に行われています。 町の中央に建つフランボワイヤン・ゴシック様式の市庁舎。

共同研究打ち合わせのためベルギーを訪問した新谷教授(左)と筆者(中央)。右は,Prof. Bart Van Meerbeek

歯学部附属病院屋上から見たルーヴェンの町。中世以来の古い町並みが保存されています。

 ルーヴェンの町は13世紀に毛織物産業で栄えた後、14世紀の市民と貴族との覇権争いで急速に衰えました。ちょうどそんな時、さびれた毛織物マーケット跡地に、1425年、法王マルティウス5世によってルーヴェン・カソリック大学が設立されました。その後の発展とともに、エラスムス、トーマス・モア、メルカトール、ヤンセニウスなど偉大な学者を輩出しました。現在はベルギー最大の総合大学として2万7千人ほどの学生を有していますが、1968年以降のオランダ語とフランス語の対立により、フランス語を母国語とする学生は全て、ブリュッセル〜ナミュール間にある大学都市新ルーヴェンに移転しました。


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