文・桂 彬真 (KATSURA, Yoshimasa) 体育会同窓会副理事長 |
この中で体育会設立二十周年を記念して設けられた「皇(すめらぎ)賞」(体育会及び体育会同窓会に対して顕著な功績があった方を表彰するもので、初代会長の 皇 至道 元学長にちなんで名付けられた)の授与式があり、今回は十一名の同窓生が表彰されました。今回までに延べ百二十一人が表彰されています。 また、来賓の方をはじめ、多数の方からご挨拶をいただいた中で、大学及び同窓会に対する意見をいただきましたのでいくつか紹介します。 原田会長:広大は統合移転により、日本でもハード面が完備した有数の大学となった。今後は大学と共に同窓会の努力により、独自性のあるそして「愛校心のたぎる」大学へと変貌することが課題である。 山根理事長:運動部は統一された。同窓会も昨年「広島大学同窓会」として改称されたが、未だに中味は連合体である。体育会は設立以来、体育会の理念である「スポーツの振興」と「学風の刷新」にも大いに寄与してきた。今後、広島大学が「社会への貢献」、「社会を支える大学」へと変貌するために同窓会はその橋渡し役と認識して、今後も努力していくことが必要である。 牟田学長:昨年(平成十四年)、硬式野球部の神宮での全国大会に教職員、関東在住の同窓生が一体となっての大応援団を送り込んだ話が紹介され、これは少しずつではあるが現役学生、同窓生、教職員の法人化へ向けた一体感の表れであると考えられる。 藤村衆議院議員(昭和四十八年工学部卒):国立大学法人化の動きの中で大学間の競争が始まる。母校の支援のために努力する。日本といわず世界の広大になってもらいたいと期待している。 渡辺副会長:来年に予定されている法人化について、この狙いとするものは何か、「理念」は何かをしっかりと掴んで活動していくことが重要である。体育会、そして体育会同窓会は皇先生の統一という理念の下に全学が一つになって実現してきた。これは短期間で出来るものではなく、先輩から後輩へのしっかりとした引継ぎが行われることで実現され、自分のやりたいこと「夢」を実現するための努力を続け、そして新しい時代の到来に備えて、連携と団結を続けるべきである。 さらに、中根体育会幹事長から、設立後四十年間の長期にわたる体育会に対する支援のお礼と今後のさらなる支援についてお願いがありました。 体育会は、「天の時、地の利、人の和」全てが揃った昭和三十八年に八年間の粘り強い設立運動が実を結び、学長を会長に戴き、学生、教職員を含めた初の全学組織として設立され、体育会同窓会は体育会設立の三年後の昭和四十一年に体育会の支援を目的に設立されました。この発会式の挨拶の中で皇会長(初代)は「全学的規模の同窓会がない学内で全学組織の体育会が同窓会を発足させた意義は大きい」と高唱されました。 体育会の設立から四十年、現在、広島大学にとって最大の課題は来年度予定されている国立大学法人化であります。また、大学を支援する組織として、同窓会が注目されています。形の上では一つになった同窓会も過去三回開催した「同窓会大会」を除いて実際の活動は従来の各同窓会のままであり、現在、各同窓会からの代表が今後の同窓会のあるべき姿を描く「検討会」がもたれています。 このような状況下において、常に現役「体育会」との接点を持ちつつ、その成長を見守ってきた「体育会同窓会」は「広島大学同窓会」の中で接合剤のような役割を演じることが必要だと考えられます。 また、体育会には活動停止している部もあります。この原因の一つとして、設立当時九十%を超えていた入会率も大学紛争を境に低下し、現在は五十%以下と低迷していることが挙げられます。これは、厳しい練習を嫌い、手軽に出来る、同好会的なスポーツの仲間を好む、現代学生のスポーツに対する意識の変化の表れであり、これに対応することが課題だと考えられます。さらに、各運動部の同窓会(OB会)も依然として不活性であり、同窓会への入会率の向上が大学と同窓会との一体感を生み、両者の連携が強固なものになると同時に、大きな力とすることが必要となると思います。 これは現役学生のみならず大学、同窓会共に取り組むべき課題と考えます。 |
プロフィール 一九六五年 工学部機械工学科卒業 現在、広島アルミニウム工業株式会 社常務取締役 |