留学生の眼(98)

文・ダラボナ,アラウジォ・ディエゴ
( DALLA-BONA , Araujo Diego )
歯学部研究生(旧歯科矯正学講座)
ブラジル出身




実験室にて(筆者右から2人目)
 私は、ブラジルの南のPorto Alegre(ポルトアレグレ)から来ました。25歳で独身です。2001年にRio Grande do Sul (リオグランデドスル)大学歯学部を卒業しました。
 私は、2003年の4月に、大きな二つの夢を描いて日本に来ました。一つ目は、広島大学で、歯科矯正学で博士の学位を取るということで、二つ目は、日本の生活に深く入り込んで暮らすということです。私は、日本の人々の性格、習慣、珍しさについて多く発見したいと思います。

 私は、日本の文部科学省から奨学金をもらってきています。このことは大変幸運だと思います。この文部科学省の奨学金は、世界の中でも最もすばらしい奨学制度だと思います。

 私は広島駅の近くの広島市留学生会館に住んでいます。ここは新しく大変きれいで、私と同じ様な立場の多くの留学生が住んでいます。外国で一人で生活するのは、易しいことではありません。更に私は、日本語がまだよく話せないので、なおさら難しいです。今年はもっと日本語が上手になりたいと思います。

 私は子供の頃から、日本と日本人について知りたいという興味がありました。私の家族の誰も日本人ではないし、日本とブラジルはかなり遠いのに、なぜこのように興味があるのかわかりません。日本政府が、外国からの留学生に奨学金を出しているということを知ってから、ますます日本で、勉強したくなりました。ブラジルでの私の主任教授のEduardo Rolim Teixeira(エドワールド・ロリン・ティシューラ)先生は、十年前に広島大学に来て、インプラント学を学びました。そして日本で勉強したことは、人生の中で大きな経験になったと話してくれました。私はこの先生のおかげで、日本に来ることができました。

 日本は大変美しく、安全で、きれいな国です。私は先日、宮島、徳山、浜田に行きました。今、広島にいますが、日本の地理を良く知らないで旅行をしたのは、少し残念でした。

 日本食は大好きです。大変おいしく、世界中で、最も有名だと思います。ブラジルでは、五年前までは、日系の人だけがすしや刺身を食べていました。しかし今では、日本食は、すっかり有名になり、ブラジルの中でも多くの日本食レストランがあります。多くの人が夕食にこれらのレストランに出かけたりします。また日本食は、若者にも人気です。私の好物は、すしと刺身と日本のカレーです。

 私はブラジルに帰ったら、国立の大学の教授になりたいです。このような仕事に就くためには、外国で勉強することは、大変重要な意味を持ちます。ブラジルでは、日本の大学で勉強することは、アメリカやイギリスの大学で勉強するのと同じ様な優れたことというように受けとめられています。
 ブラジル人は日本人が大好きです。私たちは、日本人が正直で、よく働くということを知っています。しかし、私たちが、ブラジルにいたのでは日本の生活がどの様なものかイメージすることはできません。
 日本人と日本の文化を知ることは、私にとって大変興味のあることです。私のイメージしていたことと違っていたことは、日本で大変容易にたくさん日本人の友達を作ることができたことです。最初に出会った時、みんな口を閉ざしていますが、一旦話し始めたら、みんな好意的に話し始めます。日本人は、大変社交的で、親切です。これから先もずっとこのままでいて欲しいと思います。
 広島大学歯学部の先生方に感謝いたします。また、みなさん、気軽に私に話しかけてください。話しかけてくれると大変うれしく思います。最後にこのような日本に来る機会を与えてくださった日本政府と講座の先生方に感謝いたします。
( 原文・日本語)


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