発生初期においては左
右対称な消化管が、伸長
に伴い捻転し左右非対称
になる過程を再現しまし
た。



 発生学的解剖模型 
広島大学大学院 医歯薬学総合研究科
探索医科学講座 口腔細胞生物学(口腔解剖学第二)
助教授 里田隆博
1959年生まれ 1984年広島大学歯学部卒
 解剖学教育において、その形態形成を発生学的に説明することは大変大切です。発生過程の説明のために布を使った模型を作製しました。これらは教材です。解剖学実習において、学生教育に使っております。三次元的に理解でき、実際にさわってみることができると好評です。また、「コンピューターグラフィクス全盛の時代にあって、ローテクでここまで説明できると言うことは芸術だ。」と言う方も居られます。これだけそろうと芸術かもしれません…。
 この模型で説明する発生の過程は、この紙面ではとうてい説明できませんが、ご興味のある方は、研究室(歯学部A棟6階)に来られたら、詳しくご説明いたします。
 メールは satoda@hiroshima-u.ac.jp です。
 未分化の状態では同じ
だった男女の生殖器系が
どのように発達してでき
るのか、またその相同性
を理解させることができ
ます。
 魚類においては鰓(エ
ラ)呼吸ですが、この鰓
の鰓弓動脈から胸部の動
脈系が作られることが説
明できます。
 
 発生初期において静脈
系は、左右対称に形成さ
れます。しかし左右間の
吻合により、右のものが
主として静脈系をつくる
ことが説明できます。
 魚類においては一心房
一心室だった心臓が、ど
のようにして、二心房二
心室になったかを説明で
きます。


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