ちょっとずつ自分が成長したことが分かる。
そこが面白いですね。
藤原 雅志さん
島根県出身。工業高校時代
はロボコンやソーラーカー
作りに携わる。5年前に広
大に就職。
 「もともとモノを作るのが好きで、なにかしらそういう仕事に就きたいと思っていました。そんな中で巡り合えたのがガラスです」というのは藤原雅志さん。理学部の東にある特殊加工技術開発室ガラス素材応用部門で働いています。
 「先生や学生から注文を受けて、理学部などが化学実験で使うガラス器具の製作をしています。フラスコやビーカー以外にも、市販されていない特殊な形の製品も作りますね。また、先生や学生を対象にしたガラス工作の講習会も開催しています」。
 そんな藤原さんに普段の仕事の様子を見せてもらいました。「ごぉぉ」という音をたてて噴き出すバーナーの炎で熱せられたガラスは赤や黄の光を放っています。高温で溶けた筒状のガラスに息を吹きこみ、指先でくるくる回す作業を繰り返して形を作っていくようです。藤原さんは、広大に採用になるまでは全くガラスを扱ったことはなかったそうです。
 「最初のうちは初めての作業なのでどんどんいろんなことが出来るようになりました。でもある程度出来るようになっ

バーナーの炎は超高温。手袋は燃えるので着用しません。夏場は仕事が終わると脱水症状気味でフラフラになるとか。
たら、今度はどれだけ自分の思い通りのモノが出来るか、というところにこだわるようになりました。フラスコの膨らみ具合とかが、どうしても自分のイメージ通りに出来ないことがあって、そんな時はなんで出来んのじゃ!って悔しい思いをします。でも経験を積むにつれてちょっとずつ自分の思い通りのモノが作れるようになっていく。そうやって自分自身が成長したことが分かるところがこの仕事のやりがいというか、面白いところですね」。
 『好きこそ物の上手なれ』という言葉があります。より良いモノ、自分が納得できるモノを作ろうと努力している藤原さん。ほんとうにモノ作りが好きなんだなあと感じさせてくれる方でした。
取材・執筆  江藤龍弥(総合科学部三年)

*このコーナーでは、広大で働いている職員にスポットをあて、学生広報スタッフが取材を行い、その方の人柄や仕事内容などを紹介します。


広大フォーラム2004年8月号 目次に戻る