21世紀COEプログラム
「テラビット情報ナノエレクトロニクス」
国際ワークショップ開催 
文・岩田 穆
( IWATA, Atsushi )
21世紀COEプログラム「テラビット情報
ナノエレクトロニクス」拠点リーダー
大学院先端物質科学研究科半導体集積科学専攻教授
ナノデバイス・システム研究センター長


ナノデバイス・システム研究センターのスーパークリーンルーム(クリーンルーム総面積:865m2

ワークショップの様子:会場

ワークショップの様子:ポスター発表
 2002年に広島大学ナノデバイス・システム研究センター(RCNS)は先端物質科学研究科の半導体関係三研究室とともに、21世紀COEプログラムによる研究教育拠点「テラビット情報ナノエレクトロニクス」に選定されました。これまでに当研究センターで達成した半導体分野の世界レベルの研究成果と人材・技術・設備などのリソースを活用し、情報エレクトロニクスに関する世界で認められた研究拠点を形成しています。拠点の柱となる三研究領域として「一、ナノデバイス・システム領域」、「二、回路・システムアーキテクチャ領域」、「三、デバイス・モデリング領域」を設定し、各研究領域の研究推進はもちろん、領域間技術融合・提案による新規テクノロジー開拓を行っています。広帯域ワイヤレス・インターコネクション、HiSIM次世代トランジスタ・モデルを用いた高周波回路設計、三次元集積システム技術を研究開発し、高度に知能化された物体認識システムやロボット制御システムの実現を目指しています。

第三回広島国際ワークショップ

 21世紀COEプログラム「テラビット情報ナノエレクトロニクス」では2004年12月6日に「超LSI技術とワイヤレス通信技術の将来」をテーマに、国際ワークショップを開催致しました。講師に半導体テクノロジー分野における世界的権威の四教授を迎え、また境界領域として医学・ロボティックス分野からの招待発表をしていただき、活発な議論を行いました。大学・研究機関に加え、各デバイス・メーカーからも御参加を頂き、このテーマへの関心の強さをうかがわせました。テーマにある「超LSI技術とワイヤレス通信技術」の通り、今回のワークショップは超LSI高速データ伝送の為にワイヤレス配線をいかに使うかというのが主題です。現在超LSIでは金属配線を使っていますが、データ伝送が高速化するにつれて限界が見えてきています。その為に配線のワイヤレス化を行い、更なる高速データ伝送を目指そうとしています。超LSI上に無線LANが張り巡らされているといえば想像しやすいでしょう。しかしオフィスの無線LANに比べて、そのおおよそ十万分の一の大きさの世界です。実現には様々な新規技術が必要です。ワークショップではこの技術に対する様々な提案がなされ、超LSI・ワイヤレス高速データ伝送の実現を確信させるものとなりました。



9:00−9:20
9:20−9:40
9:40−10:00
10:00−10:40

10:40−11:20 

11:20−12:00

13:30−14:10

14:10−14:50

14:50−15:20

15:30−17:00
〈ワークショップのプログラム〉

開会の辞
牟田泰三 広島大学学長挨拶
COE成果報告 広島大学大学院先端物質科学研究科 岩田穆教授
招待講演 ルーベンカソリック大学 カレン マエックス教授
「45nmテクノロジー以降のCu/Low-k 配線技術」
招待講演 スタンフォード大学 サイモン ウォン教授
「超高集積回路におけるオンチップインダクタデザイン」
招待講演 広島大学病院副院長・大学院医歯薬学総合研究科 河野修興教授
「最先端医学における診察および治療の研究」
招待講演 カリフォルニア大学ロサンゼルス校 フランク チャン教授
「超高集積回路におけるRFベースバンドワイヤレス配線の研究」
招待講演 フロリダ大学 ケネス オー教授
「超高集積回路における集積化アンテナの研究」
講演 広島大学ナノデバイス・システム研究センター 吉川公麿教授
「超高集積回路ワイヤレス配線における最近の研究成果」
一般発表(ポスター)

ホームページ
http://www.rcis.hiroshima-u.ac.jp/21coe/


広大フォーラム2005年2月号 目次に戻る