文・竹田 一彦
( TAKEDA, Kazuhiko )

大学院生物圏科学研究科
環境循環予測論講座助教授


ガラス素材応用部門で製作された特殊ガラス器具
 ここでは、市販されていない特殊な形状や性能をもった様々なガラス器具を製作してもらえます。
 技術センター特殊加工技術開発室ガラス素材応用部門の南さんが、2004年度の日本分析化学会有功賞を受賞されました。
 南さんは、総合科学部技官として採用された後、高度のガラス工作技術の研修に努められ、様々な特殊なガラス器具の開発・製作、加工技術の開発などを行ってこられました。特にオゾン気相化学発光用石英セルの開発は、リンやホウ素などの超高感度分析を可能にした画期的な分析装置の開発に結びつきました。この測定法の原理は、ホウ素化合物をある種の反応活性な気体にし、この気体とオゾンとを直接反応させると強い光を放出するという発光現象に基づいています。昔から「ひとだま」として知られている現象も、ホウ素の代わりに性質のよく似たリンが同じ原理によって発光していると考えられています。それまで分析が難しかったリン、ホウ素といった元素の高感度分析法も、南さんによる特殊な形状の反応セルがなければ実現しない手法でした。その他、特殊長光路セルや化学発光用渦巻き型セル、窒素化合物測定用の光化学変換石英コイルなど、製作した品目は多岐に亘っており、分析化学研究には不可欠なガラス部品を数多く創出されました。
 さらに、全学の教職員・学生を対象にしたガラス細工の指導や学部公開などでの一般市民へのガラス細工の実演・演示にも尽力され、教育面での功績も著しいものがありました。
 これらの功績に対して、日本分析化学会から有功賞が贈呈されました。授賞式は2004年9月に千葉幕張メッセ国際会議場で行われ、日本分析化学会の寺部茂会長から賞状とメダルが授与されました。教員が学会賞を受賞する例は多々あります。しかし、技術系職員が学会から表彰されることは希で、南さんの長年にわたって地道にガラス加工に打ち込んだ功労が高く評価された結果といえます。


広大フォーラム2005年2月号 目次に戻る