頭の中に時々浮かんでくるあのフォルム(形)。それをつかまえようと、何度試みて、何度失敗してきたことだろう。イメージしたフォルムを実際に質量を持った形にすることは、簡単そうで実はとても難しい。それをつかまえるために何度もつけたり、削ったりするけれど、いつもつかめそうでつかめない。私の作品はいわばそういった試行錯誤の塊。 つかめずに苦しんでいる時間は気が遠くなりそうになるが、つかみかけた瞬間は胸躍る。今、私が仕事を続けているのは、ほんのたまにやって来るその一瞬の快感を忘れられないからだ。 学校教育学部美術教育(彫塑) 一鍬田 徹
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