副学長インタビュー

副に徹する

日時:平成9年10月14日(火)午後5時
場所:副学長室

 副学長とは何か。この制度が始まって間がないためか、副学長の顔を知らない学生もいるようだ(教職員には?)。
 事務局五階にある副学長室を訪ねた。小笠原、茂里両副学長に越智、井上両広報委員がインタビューを行い、副学長の素顔に少しだけ迫ってみた。


「目先の重点化」だけではなく…
小笠原 道雄(Ogasawara, Michio)
研究担当


広報委員=副学長という職務の内容からお話し願いたいのですが…。
小笠原副学長=従来の学長補佐とは違って、学長指名による新たに発足した副学長という職務を、試行錯誤しながらこなしているというのが実感だ。
 学長の職務をサポートすることはもちろんだが、二人の副学長が職務を分担しており、私が「研究と国際交流」を担当し、茂里副学長が「教育」の担当ということになっている。
 そのほか、副学長二人共通の職務としては、学長連絡会(メンバーは学長、副学長二人、事務局長で、必要に応じて関係の部課長も出席)を定例化し、二週間に一回程度開いて、大学問題を検討したり当面する諸課題等を打ち合わせしている。
 また副学長の職務としては、複数学部、研究科にまたがるような問題の調整がある。このほかに広大五十周年記念事業や、教官と事務官サイドの連絡、調整等の橋渡しを図るなど、用務が山ほどある。

広報委員=非常に激職だと想像していますが、どの程度副学長室で執務しておられるのですか。
小笠原副学長=週五日のうち四日くらい副学長室に来て執務している。将来的にはもう少し用務を整理する必要があると個人的には思っている。

広報委員=そういう激務をこなしながら、普段どのように息抜きされていますか。
小笠原副学長=今年の夏休みにドイツに八週間出張させてもらったのが息抜きになったが、若い頃からクラシック音楽が好きで、特にモーツァルトやシューベルトなどのCDを聴いていると心が安まる。

広報委員=最後に、副学長として今一番望んでおられることをお聞かせ下さい。
小笠原副学長=目下の「重点化」が最重要課題であるが、来るべき二十一世紀に通用する大学・大学院の具体像を一刻も早く構築すべきだと思っている。




教養的教育を軌道にのせたい
茂里 一紘(Mori, Kazuhiro)
教育担当


広報委員=茂里先生の担当は〈教育・学生〉ということになっていますが、分かりやすく説明して下さい。
茂里副学長=まだ、新しい制度だから固まっていないが、今のところ以前の学生部長の仕事をほぼそのまま継承している仕事が一つ。もう一つは、教養的教育の実施全般に責任をもっている。それと本来の補佐的業務。

広報委員=お忙しいと耳にしています。
茂里副学長=質の異なる仕事を同時にやるということで忙しく感ずる。午前中の早い時間と夕方には工学部の教官室で仕事をするが、それ以外は副学長の仕事だ。

広報委員=息抜きは?
茂里副学長=趣味がジョギングということになっている。でも、学部長時代からなかなかできない。週に一度がせいぜいだ。でも気分転換にはなっている。昔、フルートを練習していたこともあって、学生たちの演奏会にもよく出かける。以前教育学部の学生たちの演奏会が西条で開かれた時、広島大学にもこんな学生がいたんだと感激したことがある。これぞ大学の町と思ったものだ。
 それから、ボート部の部長をしている。課外活動が学生にとって重要だと教えられた。新しいオールを作って、いま部員に使い勝手を確かめてもらっている。これで記録が伸びれば、と期待している。

広報委員=最後に一言。
茂里副学長=「広島大学は教育で勝負する」という学長の言葉に秘められた思いを実現するのが、自分の任務だと考えている。とくに今年から実施した教養的教育を、不十分なところを改良しつつ、なんとか軌道に乗せ、学部教育の充実を図り、学生あっての大学であるので、学生と接する機会をできるだけもちたいと思っている。

E-mail:fgakucho-kyo@bur.hiroshima-u.ac.jp
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