世界の大学シリーズ34

チュービンゲン大学 ドイツ






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4)
1)チュービンゲン地方裁判所 玄関扉のレリーフ「正義の女神」
2)旧図書館
3)法学部の前で(筆者)
4)大学の建物が写っている絵葉書


  
 チュービンゲンは,ドイツ南部にある人口85,000ほどの小さな町である。チュービンゲン大学(正式名エーバーハルト・カール大学)の歴史は,神学,法学,医学,哲学の4つの学部が創設された1477年に始まる。現在では25,000名を超える学生が16の学部で学んでいる。キャンパスは統合されておらず,大学の施設は町全体に散らばっている。「チュービンゲンに大学はない。チュービンゲン〔という町〕が一つの大学で ある」という言葉がそのままあてはまるほど,大学と町や市民は一体をなしており「大学都市」という名に恥じない。
 大学の建物の絵葉書も多く,市民の誇りが感じられる。全学部で開設されている全授業を網羅した冊子が,町中の書店で販売されており,聴講者の中には学生以外の一般市民の姿も見られる。ドイツ有数の蔵書量を誇る図書館も市民の閲覧は自由であり,貸し出しも行っている。
 筆者が1992年から93年にかけて文部省在外研究員として滞在した法学部は,ノイエ・アウラと呼ばれる1840年代の建物にあり大学の中心に位置する。ここには講義室や研究室のほか,法律書専門の大図書館,大学出版局,大ホールなどもある。今年の4月に同大学法学部とドイツ弁護士会の共催で行われた国際会議「交渉と調停による裁判外の紛争解決」で日本の法文化についての報告をするため4年ぶりに再訪し,前回の滞在中お世話になったハフト教授(今回の会議の主宰者)などと旧交を温める機会が得られた。
 チュービンゲン大学のホームページ「http://www.uni-tuebingen.de/
法学部 平野敏彦(ひらの・としひこ)



 


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