風花が宙に舞う
遠くの山が煙るように、白く霞むと
真綿のような雪が、ひとひらひとひら舞い降りる
喜びも悲しみも、愛も憎しみも、
すべてを被いつくしてしまうように雪が降り積もる
 降り昏む雪はこそとの音もなし
   しんしんとして鳴れるわが耳
            尾山篤二郎


 

(作品提供及び解説 景山満子 東図書館)



広大フォーラム29期6号 目次に戻る