すばらしい校歌と共に

 藤川 浩(ふじかわ ひろし) 附属福山高等学校

〈部局歴〉
  昭和37・4 教育学部附属中・高等学校
    41・4 教育学部附属高等学校
    42・4 教育学部附属福山高等学校
    44・4 教育学部附属福山中学校
    46・4 教育学部附属福山高等学校
    53・6 附属福山高等学校
 


 私は大学卒業後、広島の附属中・高校に五年間、続いて福山の附属中・高校に三十二年間、計三十七年の附属一筋の教職をおくりました。
 福山附属の校歌の作曲は、恩師である故高田信一先生(当時N響指揮者・広大教授でしたが、昭和三十五年三月惜しくも三十九歳の若さで他界されました)であります。音楽担当として恩師のそのすばらしい校歌を三十二年間演奏できたことは、私にと って最高の幸せでありました。また学生時代愛唱した「広島大学歌」も高田先生の作曲ですが、楽譜に明記されていないので、ぜひ先生のお名前を後世に伝えていただきたいと念願いたします。
 さて、数多い行事の中で、最も印象に残ったのは、一九九〇年十一月の福山附属創立四十周年記念音楽会でした。八十人の吹奏楽の演奏と二五〇人の生徒・教職員による大合唱を計画しました。ベートーヴェンの「エグモント」序曲や、ヨハン・シュト ラウスの合唱曲「美しく青きドナウ」等三曲を約半年かかって練習しました。
 苦しい時期もありましたが、福山市民会館での音楽会当日、生徒の若さあふれる力いっぱいの吹奏楽や合唱を指揮して、心の底から感動いたしました。
 長い教師生活の中でも、二度と体験できない素晴らしい「感動」と「喜び」を生徒と共に分かち合えたことは、一生忘れられないものとなりました。
 多くの思い出をつくってくださった皆様に、なんのお役にも立ちませんでしたが、三十七年間教壇に立つことができましたことに、心から感謝とお礼を申し上げます。



一生忘れることのできない「創立40周年記念音楽会」



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