あだ名と共に

 伊藤 ミユキ(いとう みゆき) 医学部附属病院  

〈部局歴〉
     昭和36・4 医学部附属病院
   
 


 広大フォーラム、中でも「退職者は語る」は興味深く拝読しておりました。このたび退職にあたり、広報委員会より今年はさらに面白くしたいと注文があり、そこで、意を決して皆様から頂戴した“あだ名”で三十七年間の歩みを語りたいと思います。
 看護学校時代は優雅に「日本人形」でしたが、看護婦になってまず頂戴したのは、「スピッツ」。あのキャンキャンとやかましく啼きたてる犬です。患者さんのことを思って一生懸命でしたが医師にはうるさい存在だったようです。私も生意気盛りでコ ミュニケーションがまずかったと反省しています。医師・患者との間のジレンマに悩んだ時代でした。
 三十代では、「広大の原節子」。と言っても顔は似ていないし、美人でもないのになぜ。理由は言わぬが花でご想像にまかせます。
 外来婦長時代は「メェーメェーのおねえさま」。ていよくおだてられ、診察室を走りまわり、雑用の中に埋もれてしまいそうな毎日でした。しかし、昼食を返上してストーマ患者や乳癌の自己検診法の指導を実施し、忙しい中にもやりがいのあった外来 婦長時代でした。
 さて現在は何でしょうか。知らぬは本人だけかも知れません。多くの思い出をありがとうございました。
 最後になりましたが、私の師となった患者さま、また私を支え指導していただきました多くの皆様に感謝しますとともに、看護部の発展と皆様のご健康をお祈り申しあげます。

恒例の花火まつりのひととき(筆者右端)



広大フォーラム29期6号 目次に戻る