牛と共に四十年
塩飽 忠博
(しわく ただひろ) 生物生産学部附属農場
〈部局歴〉
昭和32・12 水畜産学部
54・4 生物生産学部
四十年という人生のほとんどを広島大学の農場で勤めさせて頂き、その間学部の皆様はもとより学部を超えた多くの方々にお世話になり、どうにか無事定年を迎えることになりました。
在職中お世話になった皆様に心よりお礼申し上げます。
昭和三十二年に生物生産学部の前身である水畜産学部深安実験牧場に奉職して、最初に乳牛の分娩で湯を沸かし一晩中介護したことが昨日のように思い出されます。今までに千頭以上の分娩に立ち合ったことを思うと、長い長い年月を感じます。
深安実験牧場、御幸農場、西条農場へ牛と共に移転しましたが、変わる都度に環境、地質が違い、人、家畜、作物がそれぞれの地に慣れるまでに長い年数を要しました。また、自然を相手の仕事のため、干ばつ、台風、冷害、あるいは、害虫、鳥害、細 菌の害と思わぬ自然の厳しさに遭い、頭を悩ましたことも多くありましたが、無事、勤めを終えることができ今は感謝の気持ちでいっぱいです。
これからは、四季折々を肌で感じながら田舎でゆっくりと過ごしたいと思います。
終わりに皆様方の今後のご健康とご多幸を、そして広島大学のますますのご発展をお祈りいたします。長い間、誠にありがとうございました。
最後の夏季集中学生実習のあと学生さんと
広大フォーラム29期6号
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