放送大学との単位互換協定の締結について 
文・水上 千之・法学部長 (Mizukami, Chiyuki)
  前川 功一・経済学部長 (Maekawa, Koichi)



はじめに

 平成九年十二月四日に事務局五階第二会議室で、放送大学(事務局、千葉市)と広島大学との単位互換協定調印式が行われた。
 この協定にもとづいて、平成十年度から、法学部・経済学部の夜間主コースの学生は、放送大学の特別聴講学生として授業を履修し、修得した単位を一定範囲で広島大学での単位とすることができることになった。
 ここで、協定締結に至るまでの経緯等について述べてみたい。


一.単位互換協定締結に至る経緯

 法学部・経済学部の第二部、夜間主コースにおいては、以前から、放送大学の単位を卒業に必要な単位に加算して欲しいという要求が学生の側から出ており、放送大学の単位の認定が両学部での検討事項となっていた。また、平成八年八月には、教養的教育検討委員会の主催により、放送大学の法月教務課長等の同席を得 て、単位互換の検討会が開催された。
 こうした事情を背景として、平成八年十二月から、法学部・経済学部において夜間学部主事、教務委員等で構成される法学部・経済学部合同の放送大学にかかわる検討会が組織され、放送大学との単位互換協定に関する検討が行われた。
 この検討会では、夜間主コース学生について放送大学の単位を認定する方向で審議を進めた。その主な理由は、夜間主コースになって修業年限が四年になり(第二部は五年)、都合で単位を修得できない学生にとって放送大学で単位を修得することはメリットがあること、土曜、日曜に授業を開講して欲しいという要求が学生(とくに有職学生)からあり、放送大学を利用させることはある程度その代りとなりうること、などであった。
 この検討会では、平成九年のはじめまでに、放送大学で履修した授業科目の単位認定の方法について基本的事項を確認した。
 平成九年度に、新メンバーで構成された法学部・経済学部の検討会でさらに検討が加えられた後、両学部で審議された。
 その結果、法学部では、平成九年七月十六日の教授会で、
(1)夜間主コースの学生が放送大学で履修できる授業科目の範囲については、放送大学で開講されるすべての授業科目(ただし、体育実技、卒業研究は除く)とすること、
(2)すべての授業科目は教養的教育科目として履修したものとみなすこと、
(3)放送大学で修得した単位は二十単位までを限度として認定すること(外国語科目については一科目を一単位として認定し、その他の科目については放送大学が開設している単位を認定する。)
を承認した。
 経済学部では、平成九年七月十七日の教授会で、認定科目区分・認定単位数について、放送大学で開講される「開設授業科目一覧」のうち、
(1)教養的教育科目として、共通科目(人文系、社会系、自然系)の全科目のうち八単位まで、また、共通科目(外国語科目)のうちドイツ語、フランス語、中国語から四単位まで、
(2)他学部の授業科目を履修したものと見なす授業科目として、専門科目「社会と経済」「産業と技術」の全科目のうち八単位まで(単位換算は法学部の場合と同じ)
を承認した。
 その後、同年十月十四日に学部教育運営委員会で協定締結についての承認を得た。


二.協定調印式、協定の概要等

 協定調印式は、放送大学側から阿部龍蔵副学長等、広島大学側から茂里(もり)一紘副学長等が出席して、終始なごやかな雰囲気の中で行われた。
 協定書では、放送大学は広島大学生が放送大学の授業科目の履修及び単位の修得を希望するときは放送大学長が当該学生を受け入れることができることなどを規定する。また、協定書についての覚書では、放送大学が受け入れる学生は、五十人程度であること、修得できる単位数が三十単位以内とすることなどが規定されている。
(なお、特別聴講学生は、入学料は無料で、授業料は、一単位四千円(放送大学の授業は通常一科目二単位)となっている。)

協定調印式で握手をする安部放送大学副学長と茂里(もり)本学副学長



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