読者からの手紙






 最近、私の家にパソコンがやってきました。さっそく自宅から大学にダイヤルアップし電子メール・インターネットが出来るようにして、広大フォーラムを読ませて頂きました。が、ひとつだけ疑問、いや、「文句」があります。
 霞キャンパスの閉鎖性という記事がありましたが、東千田キャンパスの方はどうなんでしょう。東広島・霞とも学祭の記事がちゃんと載っていましたが、東千田キャンパスの学祭のことについては全く書かれていません。
 確かに、東広島・霞キャンパスの学生に比べ、活動していることが表面に出てきませんが、毎年、少ないスタッフで学祭を行っています。学生の数が少ないと言うことで、予算も少なく、東広島キャンパスのようにタレントを呼ぶこともないし、広島市民には東千田キャンパスの存在さえも知られていない状況です。
 それはしょうがないとしても、大学の機関誌である「広大フォーラム」が東千田キャンパスの学祭の記事を載せないのはどう言うことなのでしょうか。
 東千田キャンパスには現在、法学・経済学部二部及び夜間主コースの学生しか居りませんが、確かに広大生です。
 私は夜間主コース生の第一期生として広島大学に入学しました。入学当時は他の新入学生と同様、大学生活に期待と夢を持っていました。大学に入ったら何をしよう。学祭のスタッフになってみんなが楽しめる企画を立てよう。サークルには行って・・・。
 誰しも多少に関わらずこのような希望や明るい自分の大学生活をイメージしているのではないでしょうか。私自身、一年生の時、学祭のスタッフになりました。そのとき、私は千田キャンパスの悲しい現実を知らされました。サークルの少なさ・暗いイメージ・存在感のなさ、そんな現実が二部生の心のどこかに潜んでいました。
 そんな雰囲気を吹き飛ばそうと、長年続いた「千田祭」から「森戸祭」と改名し、二部生の新たなスタートとなりました(名前の由来は分かると思います)。が、グリーンフェスタ開催のため(?)森戸道路は無くなり、二部生としての誇りも森戸道路と一緒に消えつつあるような気がします。
 最後に私の先輩でこんな事を言っていた人がいます。
 「千田キャンパスは広大ではない!二部生は広大生ではない!」

(経済学部夜間コース 学生)




広大フォーラム二十九期五号「霞キャンパス七不思議」を読んで


 広大フォーラム二十九期五号、実験記事「霞キャンパス七不思議」は、“学生による、学生のための記事”として企画されたものと思われるが、記事の内容については、とくに医学部医学科の現在の教育改革のあり方に対する批判と受け取れる部分があるので、これに対して一言、反論を述べたい。
 “二年近くも理念のなかった教育改革は何を目指そうとしたのか”の項目については、この記事を書いた学生が“教育改革についての理念・目標”と“医学部の学部教育の理念・目標”を混同している。後者は平成八年三月の教授会で承認されたものであるが、前者として成文化されたものはない。
 教育改革は平成三年のいわゆる大綱化以降、広島大学全学で行われてきた教育の改革に賛同し、かつ医師養成に対する社会からの要求や、二十一世紀へ向けての医学という学問の進展への対応を考えて、医学部教官の知恵を集めて少しずつ進めているものであり、はじめに医学部としての改革理念や目標を立てて行っているものではない。これらの改革をすすめた結果として、新たな学部教育の理念・目標が平成八年に作られたものである。
 “医学部におけるクラブ活動のあり方について”の項目では、クラブ活動により授業日程や試験日程が変更されていることは許せないという匿名記事が載せられているが、こうした意見は、ごく一部の学生の個人的な意見にすぎないと思われる。
 医学部学生の体育系クラブ活動の祭典である“西医体”への参加は、クラブ活動を行う学生にとっては大きな目標である。広島大学全学の方針として学期区分が変更され、七月末が前期終了となったことで、広大医学部生は事実上、七月二十日すぎから行われる西医体への参加が不可能となった。
 これを救済する措置として、教授会での議論をへて授業日程を適宜変更することとしたが、これは現在の医学部の教育の理念・目標とは矛盾しない。こうした事実を理解し、クラブ活動を行う学生に対する思いやりをもつことこそ、医師に求められる“社会性”である。これを書いた学生こそ、独善的で社会性がないのではないか。
 その他の項目についても逐一反論することは差し控えたいが、この記事を書いた学生諸君に対しては、安易な取材と思い込みあるいは個人の独善的な判断による記事を広大の公的な情報誌に載せたことに対して反省を求めたい。
 面白く記事を書くことによって当事者を傷つけるという巷のジャーナリズムの冒している愚を真似て欲しくないと思う。
  
(医学部医学科病理学第二講座 井内康輝)

 

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