学校教育学部長 高橋 超
入学おめでとうございます。 広島大学に入学した今、受験をめざして青春の大半を費やした「鉛色の空」のごとくの日々が皆さんの脳裏をよぎっているかもしれませんが、入学の喜びは、それまでの苦しさや辛さを帳消しにしてくれるでしょうし、楽しい思い出に変えてくれるかもしれません。 今、皆さんの胸の中には一生懸命勉強して教師になりたい、クラブをやってみたい、留学してみたいなど、四年間の学生生活の中でやってみたいことが夏の日の入道雲のように沸き上がっていることと思います。このような気持ちは、おそらく皆さんのこれまでの生活で初めてのものではないかと思います。 これから始まる大学生活のほとんどは「学習」に費やされることになりますが、それは、教養的教育や専門的教育の授業を受けて、卒業に必要な単位を取るためのものではありません。授業を通して「知」や「文化」と出会い、授業やクラブ、コンパ等を通して教官や先輩、友人等、新たなる人々と出会い、こうした出会いを通して新たなる自分を発見することが「学習」です。 四年間の大学生活の中で、こうした出会いを繰り返しながら、今、皆さん一人ひとりの胸の中に沸き上がっている願望を達成することができるのです。別の言葉で言えば、「本物」の生活を送るということです。これまでの大学進学をめざした生活では体験することがなかった喜び、失望、怒り、苦しみ、そして感動が体験できる「本物」の生活を、フェニックス(不死鳥)をシンボルとして二十一世紀に向けて大いなる飛翔をはじめた広島大学の一員としての誇りと自覚を持って送ってください。 |
学校教育学部広報委員のWは、卒業生号(前号)の時の乱暴を反省することもなく、ある夜、今度は三年生宅へ、電話一本の狼藉。 「学教(がっきょう)に新入生を迎えるにあたって、『ワァーッ!なんだか学校教育学部って素敵なとこみたい』、と、新入生が思い込んでしまう(?)ような一世一代のキャッチコピーを五・七・五の十七文字にまとめ、顔写真をつけて五日後にたのむ」、という無茶苦茶な依頼がそれ。 しかし、巣立っていった卒業生同様、我が愛する学教三年生諸君は、この無理難題に応えてくれた。 新入生諸君、掛け値なし、我が学部は、こんなあたたかい雰囲気に満ちた学部です。ご安心あれ。(W) |