大学院国際協力研究科


国際協力に夢と行動を

大学院国際協力研究科長 中山 修一

 入学おめでとう。
 ここ十年来、環境、情報化、国際化は、この国の向かうべき目標を見定める三つのキーワードであった。こうした流れの中で、本研究科は、国際貢献人材の育成、留学生受け入れ枠の拡大、学内の協力体制の制度化など、わが国の大学のあり方に挑戦する新しい構想のもとに、一九九四年に新設された。
 私たちには大きな夢がある。この研究科の教職員と学生は、機会あるごとに考えている。今、それぞれの思考と行動が、どのように世界の平和の創造と繁栄に結び付いて行くのだろうかと。また、この研究科で学ぶことの成果は、どのように行動すれば、楽しい人類社会、すべてのものが輝く地球社会の建設に貢献できるのだろうかと。
 世界は今、二十一世紀を目前に、人類システムの変革期に直面し、環境問題、食糧問題や貧困問題さらには頻発する国際紛争など、地球的規模の諸問題に対処しなければならない時代を迎えている。アジアを中心とした開発途上国はもちろん、先進諸国といえどもさまざまな課題を抱えており、これらの課題解決には自助努力をはじめ、開発途上国と先進諸国との国際協力が強く求められている。
 本研究科の設置目的は、開発途上国の諸課題の解決に取り組むことのできる人材を育成することである。そのためには、専門知識だけでなく複雑な事象に対応できる総合的判断能力を備え、対象地域の社会・文化の特質をより深く理解し、人々の生活の質的向上に貢献できる知力を備えてもらわなければならない。
 また、社会のグローバル化と変革という流れの中で、各国や地域の文化や環境に心を配り、望ましい開発の方向と国際協力のあり方を研究し、これらの地球的課題に取り組もうとの意欲溢れる新入生の皆さんの情熱を信じたい。
 なお、今年度入学の皆さんは、これまでの学生と違い、二つの大きな特典に恵まれている。第一に、二年後の修了式では、二十一世紀のスタートラインに立てること。そして、第二は、新築の研究科棟で学習ができることである。掃き清められた新しい建物で、一人ひとりが志しを高くもち、世界の平和と繁栄の実現に向け、さらなる情熱を燃やし勉学に励んでくれることを心より期待したい。

新研究科棟玄関前
 


 



ようこそIDECへ

開発科学専攻博士課程前期 小池 康司

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ようこそ、国際協力研究科へ。
 皆さんは今、どういった心境でしょうか。新しい環境や、新しい生活に希望や不安を抱いていることと思います。
 私たちが所属している国際協力研究科は、非常に多岐にわたる分野が寄り集まってできた大学院です。国際協力といえば開発援助という言葉が頭に思い浮かぶかと思いますが、地球レベルでの国際協力となると、開発援助だけではなく、もっとより多くの分野が集結、協力して対応していかなくてはならない時代にさしかかっています。皆さんもこれからそれを目指して勉学に励むことになるでしょう。  またそれと同時に、当大学院には非常にたくさんの留学生の方たちも所属しているため、外国の生活習慣や文化に触れることもでき、日常の学生生活を通して、勉強以外のことも学べるというメリットがあります。この機会にぜひ、さまざまな人と交流を深め、いろいろなことを吸収し、楽しい学生生活を過ごして下さい。新しい発見や驚きがこの先たくさん待ち受けていることでしょう。
(こいけ・こうじ)


研究室の研修旅行にて
 


 



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