教育学部


チューター・在校生からのメッセージ
秘伝広大生条々



「単位取り易く、学成り難し」の巻

 「多くの事を学べるのも大学なら、何も学べないのも大学です」と出口達也先生。学生一人ひとりが最終的に学ぶことは、皆違っています。それぞれが学びたいことを学ぶ、それが大学なのです。
 だから、大学の勉強は、学びたいことを探すことから始まります。「本当にやりたいことはいったい何なのか、大学生活を通じて真剣に考えてみてはいかがでしょうか」と近藤一志さん。「『これ面白いかも』と思ったら、そこにどっぷりと没入してみる。自分の関心だけをまずは大事にして」(村田恵子さん)というアドバイスは、参考になるかもしれません。
 参考にすることと信じることは、大いに違います。大学の勉強で、「参考にする」は、大事なキーワードです。「友だちから楽な授業を聞くことがありますが、くれぐれもそれを信じきってはいけません。すすめられた授業を取ってひどい目にあったことがあります」(某君)。信じるのも、不純な動機もいただけません。
 高校までの参考書は、信じるに足るものだったと思います。ところが、「本にはミスプリントが含まれることが少なくありません。内容の真偽は自分の頭で考え、本を鵜呑みにしないように」と中木達幸先生。自分の頭で考えるための材料が、参考書と いうことになるようです。
 かくかく、大学で学ぶことはむつかしい。志を高くもって、意欲的に勉学に取り組んでほしいものです。とはいえ、「単位が修得できなくて卒業延期になる人があります。こちらにもご注意ください」と、岩重博文先生。


「友有り、故に我思う」の巻

 「勉強だけでなく息抜きも必要です。四年間を通算すると二十七対十三というような感じでしょうか」という黒田学君、さすがに緻密です。もちろん二十七の方が勉強です。
 息抜きの方法はさまざまです。カラオケ、ボーリング、ゲームもよし。友人関係に役立つことがあります。でも、お金がかかる割に、コミュニケーションは深まらないかもしれません。
 山本佐貴さんによれば、究極の息抜きはおしゃべりと言います。「人間的に成長することができる」のがその理由。友人は成長の糧です。そこで、中木達幸先生は「専門外の友人との付き合いで、専門性を高めることができます。思い切って、知らない世界にも友人を求めましょう」とアドバイスしています。
 人間的成長のためには、経験も重要です。田邊有司君は、「待っていないで自ら行動を起こしてみよう。待ってるなんて時間の無駄だよ」と言います。失敗を恐れないのは、若者の特権です。大学四年間の生活が、きっと新しい君を作るでしょう。縫部義憲先生は、「ボランティアで自己拡大してみてはいかがですか」と提案しています。
 友人、経験、そして次にくるのが読書。本を君の友だちにして欲しいし、本の中で新たな知的経験も味わってほしい。しかし、紙幅がありません。チューターから親しく聞くべし。
 学生生活は、気ままに過ごせば、それなりに過ぎていきます。でも、それではあまりにもったいない。佐藤尚子先生は言います。「大学は劇場、主役は君。さあ、何を演じますか、自分を見つけるために」と。そうです。自分を見つける旅は、主体的でなければおもしろくありません。


「西条霧深く、万事危うし」の巻

 「ここ東広島も住めば都です。雄大な自然の恵みに感激して下さい」と山口周子さん。ところが、感激してばかりおれません。「鏡山 ロンドンよりも霧深く ロマンチックねと酒飲めば ぬかるむ田んぼが 二人を呑みこむ」(木村堅一先生)ことになります。酒都西条の酒は旨い。でも、くれぐれも控え目に。
 まして酒を飲んでの運転など、もってのほか。運転者はもちろん、歩行者も交通事故には気をつけたいものです。「私も入学してすぐに、自転車に乗っていて事故に遭い、出だしから躓きました」と西村達哉君。「免許をとって一年目あたりが危険」(烏田直哉君)という声もありますが、定かではありません。
 数年前まで、キャンパスを徘徊していた野犬、最近は見かけなくなりました。かわって、二本足の野犬が、侵入してくることがあります。「夜の東広島は物騒。女性は男性と、男性は強い女性と一緒に帰りましょう」と牧野幸志君。
 「強い女性」と頼りにされるには、やはり食生活です。かよわい有田宣雄君は、「毎日カップラーメンを食べていると体が弱くなります」と反省の弁。彼は「スーパーの惣菜がおすすめ。閉店近くに買いに行けば半額になっています」とアドバイスします。栄養のバランスがとれるか少し心配ですが、変身に期待しましょう。
 半額商品は、きっとお金の節約になるでしょう。でも、インチキ商法に引っかかると、友人関係まで壊れてしまいます。学割を不正に使用する学生がたまにいますが、これも節約にはなりません。広大生としての誇りを持って、正々堂々とした生き方を 学生時代から身につけてほしいものです。
(文責 大林正昭)


 
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