モニターから・編集室から



 七号に対するモニターのご意見を紹介します。回収率は三四%でした。学生モニターの意見を〔〕で、教職員モニターの意見を【】で括ります。


☆特集「卒業生・修了生を送る」

 奇を衒った工学部を除くと概して好評でした。〔写真上に文字をのせる場合は、その部分だけ文字の色を変えた方がよい。〕〔理科系 と文科系の面白さに差が出た。文科系の方が文章はうまい。〕〔工学部のは主役である卒業生のコメントがない。〕【学部ごとに体裁が異なっていたが、各学部の性格が出ていてかえってよかった。】【卒業生の寄せ書きの形にしてもよい。】


☆「歯学部教授選考をめぐって」

【「広報誌」としてはかなりの覚悟で掲載に踏み切ったと思われ、高く評価したい。再反論もあり、かなりの程度双方の見解の背景を知ることができた。内田氏の文は広報委員会全体の公式見解なのか。委員個人としての意見なのか。内田氏の所属を明確にすべき。】【名誉教授は本人の主張を正当化することに終始。提言もその延長上の域を出ない。一方、異論も現教授を支持することに頑な。これが歯学部の現状なのだろう。】【異様な記事。人事に関する論争は、今後「歯学部だより」の紙面でやるべき。「民主主義的な討論」や「公開討論」ができるかどうか少し考えればわかるではないか。】〔もうたくさんだ。しかしフォーラムを介して公開討論の場が確保された意義は大きい。〕〔本来フォーラムでこのような内部のもめ事を扱うべきではない。教授会の未知の部分を公にすることはよい。〕
 今期を通して対応に最も苦慮したのがこれらの記事の掲載でした。モニター意見と同様、広報委員の意見が完全に一致するはずもないのですが、三号で歯学部長の見解を、七号で反論と歯学部広報委員の再反論をあの形、あの内容で掲載するというのが第二十九期広報委員会の結論です。


☆スタイルやレイアウトに対する提言

〔バッグに入るように見開きB4サイズにして。内容によってフォントを変えるのもよい。〕【以前の号では記事の切れ目がわかりにくいことがあった。】【活字の小さいものは読みにくい。】このほか、現状のままでよいという意見が約半数ありました。
 「フォーラム」は、過去の広報委員会での熱い議論と試行錯誤を経て、「意見の交流」と「縦組みのレイアウト」を基本とする現在の姿になりました。その評価の半分は縦組みにあるといっても過言ではないと、過去の委員会報告書に記されています。
 一方、オンライン版はカラフルな横組みとなっています。


☆オンライン版について

 今期から冊子体とほぼ同一内容のオンライン版が公開されていますが、その存在を知らない方が多いようです。アドレスは最後のページの奥付に記してあります。
 今期は多くの記事でホームページのアドレスを引用しました。冊子体ではアルファベットが縦になって見づらいのですが、オンライン版ではそのページに直接繋がっています。それぞれ一長一短がありますが、オンライン版の方もご覧ください。


☆その他

〔読者からの手紙や歯学部の人事等、暗い記事が多かった。春だし、新入生も入るので明るい記事を載せてほしい〕という意見のほか、モニター以外の方から「四段組みより二段組みの方が読みやすい。特集では、特定の代表者が書いた文章より、理学部のように学科ごとの短い形式のほうがいろいろな顔が見えてくる」という感想を頂きました。ご意見を寄せて頂いたみなさんに感謝します。


☆第二十九期を終えるにあたって

 広島大学を去る私を含めて約半数の広報委員が交代し、第三十期を迎えることになります。老練な他の委員と伍して、若輩にしかできないことは何だろうか、と思案しているうちに一年が過ぎてしまいました。
 学生の書いた記事の割合を増やさんと、連載や特集などを除いて、全て学生の方に寄稿を依頼しました。
 カラーのページ以外で人目を引く工夫として、写真の上に文字を印刷するレイアウトを模索しましたが、モニター意見の通り、成功に至りませんでした。こちらに神経を集中するあまり、七号の特集の工学部の部分は主役不在になったことも反省材料です。

 「フォーラム」が全国広報紙コンクールで三年連続日本一になったのはいい思い出となりましょう。受賞理由の一つが交通事故に対する取り組みでした。今号を編集している間に工学部の院生が交通事故で亡くなりました。ご冥福を祈るとともに、来期も今期以上の取り組みを求めます。
 別れはつらいものですが、どんな組織も人の流れが不可欠だろうと思います。そういえば友人がこんなことをいっていました。

 よどんだ水は腐りやすい。

工学部広報委員 宮崎修次






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