特集特別対談 茂里副学長に聞く
学生の溜まり場、『駆け込み寺』に
茂里一紘副学長(Mori, Kazuhiro)
インタビュア
井上広報委員長
二神広報委員
広報委員=茂里副学長にインタビューするのは、昨年秋以来二度目ですが、副学長二年目にあたって、昨年度一年を振り返っての感想からお聞かせください。
副学長=いろいろな仕事がありましたが、いろいろな能力を要求される仕事であると思わされている。しかし、小笠原副学長との役割分担もうまくいっており、気持ちよく仕事をさせてもらっています。
前年度のインタビューで申し上げた「副に徹する」ということは、生易しいことではないと思っている。どのようなことが期待されているかまだ分からない面もあるが、まあ自分としては何とかやれたのではないかと思っている。
茂里副学長
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広報委員=さて本題に入りますが、このたびの学生就職センター設立に当たって陣頭指揮をとられたのが副学長だということで、テレビ局や新聞社の取材攻勢を受けられたようですね。
設立までにいろいろご苦労があったかと思いますが…。
副学長=就職のことについては、もともと原田学長が学生の「出口」について強い考えをお持ちであり、その意を受けて厚生委員会が検討しておられたのでセンター設立は思ったよりトントン調子で進んだ。
私の所属する工学部では、学生に対して希望する企業に推薦するという形で対応しているので、私自身はあまり就職に対して深刻には捉えていなかった。しかし、副学長職に就いて、就職は大学教育にとって重要なエレメントであることを気付かされた。
すなわち就職は、大学教育と社会との重要な接点であり、社会を見る覗き窓でもあるということです。また、大学の教育の内容、そのあり方などを問われる、大学にとって重要な切り口であると考えている。
私は教養的教育委員長も兼務しておりますが、同委員会での教養的教育の評価において、発展的総合科目(高学年で履修することが望ましい総合科目)の必要性が指摘された。職業教育はそれにうってつけの科目である。この二つの話が合体して専任教員の措置をも含め、学生就職センターが設置された。
初めは「学生就職指導室」のようなものを考えたが、「学生に単にA社かB社かを選ばせるような指導」ではなく職業観の教育を行う中心になる機関、という意味もこめて最終的にこういう名称となった。
広報委員=このセンターがスタートしたことで、今後どういうことを望んでおられますか。
副学長=職業教育の一つとして、この四月から「グローバル時代の日本経済」という講義が教養的教育の総合科目として始まっている。学生の職業選択に対する考えが深まればと期待している。
センターにはいろんな就職情報を集め、パソコン六台を設置するほか、センター員、相談員などのスタッフが就職に関する指導・助言に当たってくれるはずなので、学生の溜まり場として、また時には「駆け込み寺」として利用してもらえることを望んでいる。学生の集まりやすい大学会館に設置したのも、そういう願いからである。また、従来から行われている各学部の指導とも連携して、全学規模での就職に関する企画立案をしていただく。
広報委員=ご多忙中のところ時間を割いていただき、どうもありがとうございました。
井上広報委員長(右)と二神広報委員
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日時:平成十年四月二十三日(木)
午後三時
場所:茂里副学長室
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