追悼文



 山本純恭(やまもとすみやす)先生のご逝去を悼む

 名誉教授山本純恭先生は、平成十年三月二十日の夕刻、八十歳で肺がんのために逝去されました。三月末の日本数学会出席を予定されていた矢先のことで、全く突然の訃報でした。
 先生は、昭和十六年に広島文理科大学数学科を卒業された後、奈良県立医科大学講師、教授を経て、昭和三十七年広島大学理学部教授に就任され、数理統計講座を担当されました。昭和五十六年三月に停年退官後は、東京理科大学、岡山理科大学で教育研究に携わり、平成二年より国際学術交流センター国際自然科学研究所所長に就任されました。
 先生は統計学の理論、応用および情報数学の分野に力を注がれ、とりわけ実験計画法において、関係環の理論を発展させ、釣り合い型一部実施要因計画等の構成や解析法を解明されました。学内では、就任時から停年になられるまで情報処理センター長として、情報処理体制の整備・拡充に貢献されました。学外においても、日本統計学会会長、日本数学会評議員、国際誌編集委員等の要職を歴任されました。
 先生は、何事に対しても全力投球され、多方面の多くの人から慕われていらっしゃいました。謹んで先生のご冥福をお祈り申しあげます。

理学部数理統計講座 藤越 康祝



広大フォーラム30期1号 目次に戻る