学長インタビューNo.27

 広大の情報化の発展は教育を中心に 

日時:平成10年8月17日(月)午後2時30分
場所:学長室


 大学内外で,情報・通信システムは飛躍的に発展しています。大学の教育・研究においても情報化への対応が期待されます。
 今回の学長インタビューでは,広島大学が目指す情報化の姿について学長にお考えを伺いました。



情報教育の環境整備を重点的に

広報委員=大学内外の情報環境の整備によって、大学の教育内容も変化することになると思われますが、これからの広島大学の情報教育をどのように発展させようとお考えですか。

学長=学生の教育には情報と語学は非常に大切であると考えている。
 現在でも非常に高いレベルで情報システムの利用ができる学生はいるのだが、教養的教育の情報教育では学生全員のレベルアップが必要である。卒業時までには、学生はいろいろな情報へのアクセスと選択ができ、さらに、基本的なデータ処理もできるようになることが必要である。これらの能力や語学力は、学生が就職し社会に出るときに必ず必要になる。
 西図書館の建物内に、現在、教養的教育のための情報教育施設があるが、学生がゆとりをもって使えるようにさらに整備したい。これからは学長裁量経費も、情報教育や語学教育などの環境整備に重点的に当てたいと考えている。


大学からの積極的な情報発信を

広報委員=これからの広島大学の全学的な情報化についてどのようにお考えですか。

学長=広島大学の情報化は教育の中で発展させることが最も大切であると考えている。
 これまで、学内できちんとした体制で情報の専門家を育ててこなかったこともあって、本学の情報化は全国的に見てたいへんに遅れている。
 本学に情報を専門に扱うセンターを新たに作り、それとの関連を考慮して大学院なども整備して、情報のスペシャリストを育てる必要がある。このことについては、現在情報メディア専門委員会で検討してもらっているところで、三年後くらいのうちには実現できればと考えている。
 一方、大学の教官は、研究成果をあげても、これを社会に発信することが不足しているようだ。学外からの情報を受け取り、自分の情報を広く発信することで社会に応えることが必要である。
 大学から社会への情報発信は、二十一世紀以降も、他大学に伍して広島大学が生き延び、発展する道としても重要である。
 現在の情報発信の状態は十分ではない。大学のホームページの整備も含め情報の受信・発信をきちんと行うシステムの整備が必要で、現在遅れている分、どこの大学と比べても決して引けをとらないものになるように期待している。
 ほかに現在考えていることとして、東広島市ではケーブルテレビの基盤が整備されつつあるので、たとえば、学生がアパートでケーブルテレビを通じて大学の情報を受け取ることができるようなシステムも考えている。関係者に働きかけて、このように学生にとって便利な情報環境のベースも整えられれば、と思っている。


岸場広報委員

吉村広報委員

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