総合情報処理センターの全学的情報サービスについて

  センターは縁の下の力持ち?  

文・ 松本 堯生(Matumoto,Takao)   
広島大学総合情報処理センター長  
 
 サービスの急速な変化 
 広島大学総合情報処理センターはその発足時より、科学技術計算、一般情報処理教育、学術情報処理、事務電算化を四本柱として、全学にサービスを提供しています。しかし、近年は図書館及び事務専用計算機の導入とコンピュータネットワークの急速な発達があり、その利用目的・環境・要望は多様となり、サービス内容も大きな変革を遂げています。さらに、広島大学ネットワークHINET93と95の整備に伴い、平成五年からは学内基幹ネットワークの管理・運用も担当しています。
 平成八年七月からは、全国にさきがけ、大学の全構成員の登録を実施し、試験運用を行ってきました。現在学部生の約半数、大学院生・教職員の半数以上が常時センターのアカウントを利用し、それ以外の人も大半がどこかにアカウントを持ち、ネットワークを通じてセンターのサービスを享受しています。もはや大学にとってなくてはならないサービスです。
 電子メールとWWWは、研究上も教育上も必須のものです。留学生にとっては死活問題ですらあります。しかし、サーバのセキュリティと安定性を確保するためには多大の努力が必要で、ほとんどの部局では自前で安定したサーバーを維持していくことが困難になると予想されます。また、大学独自の目的に沿って高度な情報交換・発信を行うには、セキュリティ対策を十分に施し、大学で管理する安定したサーバを確保することが不可欠になります


 安定したサービスを 
 コンピュータ群は四年毎の更新を目標としており、次期機種検討ワーキンググループ、市場調査ワーキンググループを設置し検討しています。その活動状況は将来展望を含み総合情報処理センターのホームページに詳しく掲載しています。
 次回更新(二〇〇〇年三月予定)では、研究支援、教育支援、大学運営支援と目的を整理し直して、そのための安定したサーバ群の設置をまず行うことにしました。これにより、電子メールのより安定した運用は勿論のこと、個々のホームページの安定した提供、さらにはインターネット仮想大学の開設などいろいろなことを行うことが可能になります。このサービスを生かすには、情報を活用する戦略とそのための組織、ネットワーク等に関わる各部局担当者さらには利用者一人ひとりの協力が必要であり、新センター構想なども検討されています。関連して事務部門からも各種情報提供サービス充実の三年計画をいただいています。
 電子メールやWWW等を活用したコミュニケーションを支援する機能を大幅に強化するのが基本であり、遠隔地キャンパスにもこの機能は可能な限りサービスされます。そのほか、情報処理支援機能として、演算サーバの維持を求める要望も依然強く、先進的なユーザグループを確保するためにも、現状程度を維持していくつもりです。



 二十一世紀の情報環境へ 
 端末群については、総合情報処理センターに大規模教室を一つと、可能な限りの端末を用意し、霞地区、東千田地区、中央図書館、西図書館等にもオープンスペースラボとして、自習に使用可能な端末をできるだけ設置する予定です。それらの一部は教養的教育における情報教育・外国語教育にも活用できるようにと考えています。多数の人がアクセスする端末の管理は、利用者が想像する以上に大変であり、使用目的はある程度限定せざるを得ません。センター外端末室の維持管理には設置部局の積極的 な協力も必要です。
 一人一端末時代の到来に向けた対策も重要です。利用者が大学にパソコンを持参したときに、学内LANに接続できる情報コンセントの整備も、総合情報処理センターで実験的に行うことを検討しています。自宅からセンターにアクセスできるダイアルアップサービスも実施しており、これは当面継続の予定です。
 また、学内の設備毎にアカウントが違いパスワードが違うという問題に関しても、利便性とセキュリティの両面から検討中です。なかでも、情報教育研究センターと総合情報処理センターの間については、次回の機種更新に合わせ、パスワードの共有化を計画しています。


総合情報処理センターの次期サービスイメージ図




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