本朝の禅僧が各種の作品を註釈・解説したいわゆる「抄物」の代表的作品が、「中華若木詩抄」(「詩抄」と略称)であり、「湯山聯句鈔」(「句鈔」と略称)である。「詩抄」は、室町時代末期に活動した、なかば謎の禅僧如月寿印が、中国の詩人と日本の禅僧の詩作(中華若木詩)に対し、註釈・解説を加えたものである。「句鈔」は、同じく室町時代末期の明応九年(一五〇〇)五月五日より同二十三日にかけて、禅僧である寿春妙永と景徐周麟が湯山(有馬温泉)に出かけた折に興行・応酬した千句の聯句(湯山聯句)に対して、一韓智 が註釈・解説を施して、永正元年(一五〇四)八月二十日に成立した。
プロフィール (あさくら・ひさし) ◇一九四二年 大阪市生まれ ◇一九七○年 広島大学大学院文学研究科博士課程(中世国文学専攻)単位取得 ◇岡山大学教養部助教授を経て、広島大学総合科学部教授(日本研究講座) |