光通信工学と 量子物理学の出会い |
量子物理学の知識は、現在実用化されている光通信技術の構築のために多用されてきた。しかし、その利用は現象説明理論の形で、いわば間接的な形でなされてきた。 これに対して、最近、量子物理学の基本原理を直接的な形で通信技術に持ち込む二つの試みがなされている。それらは、スクイーズド光による通信と、量子暗号通信と呼ばれるものである。 この新しい光通信(量子光通信)の技術体系を確立するために、いまや通信(もっと広く情報)理論と量子物理学の完全な融合化が図られつつある。 |
光の波に乗せて多量の
情報を伝送できる光通信 |
第一世代の光通信 |
光の波動性が生かされる第二世代の光通信 |
雑音の限界を打破する新しい試み |
波動であり粒子でもある光の不思議な性質 |
避けられないゆらぎによる雑音 |
人工的に操作された光を使った通信の可能性 |
情報の暗号化 |
少数光子を使った通信 |
二十一世紀の通信となる量子光通信 |
プロフィール (やまにし・まさみち) ☆一九四一年 大阪府生まれ ☆一九六六年 大阪府立大学大学院工学研究科修士課程修了 ☆一九七一年 工学博士(大阪府立大学) ☆一九八三年 広島大学工学部教授 ☆一九八四年、一九八六年、一九八七年、一九九一年アメリカ合衆国パデュー大学客員教授 ☆一九九七年 米国電気・電子工学者学会フェロー賞 ☆一九九八年 広島大学大学院先端物質科学研究科長 ☆現在の専門:半導体における量子光学現象と工学応用 |