モニター意見



 広大フォーラム第六号に対して寄せられたモニターからの意見を紹介します。回収状況は、教職員七名、学生二名、学外者三名の計十二名でした。


☆特集「退職者は語る」について

 「こういう特集の物をはじめて読みました。退職される皆様の文章の一語一句が何か味と重みを持っているようで、まだ広島大学をほんの少ししか知らない私でさえ心が熱くなる思いがしました」(学生)、「これまで口にすることができなかったであろう本音が語られていたことが最大の成果。心に留めておくべき貴重な提言が含まれていた」(教職員)、「退職された方々の、第二の人生に対する真摯な態度に感銘を覚えます。積極的に生きがいを求めておられる姿勢に、さすがに人生のひとつのトップを究めた人のセンスの良さを感じます」(学生)、「退職者について、特に停年(定年)退職者について、ある種の敬意を表し、在職中の労をねぎらうことは、日本文化の最も良い面で、この特集自体はぜひとも続けて欲しいものと存じます」(学外)などの意見がありました。
 一方で、「今号の特集はあまり興味が持てませんでした」(教職員)、「一口で言って、ページ数が多すぎるような気がします。退職者の皆さんが、これまでの歩みを語ること自体を否定する気はありませんが、筆者が語る同じようなトーンの記事が続くので、読むのに疲れます。来年はぜひそこらの工夫を」(学外)、「例年の特集であり、モニターの任になければ、読むこともしませんでした。読んで面白かったのは、広大に対して苦言や問題点を指摘されたものです。辞められる前だからこそ本音を出すことができるのかもしれません。来年度からは、フォーラムに退官者による苦言、提言コーナーでも設けられて、積極的に意見を募られてはいかがでしょうか」(教職員)などの、新しい工夫を求める意見がありました。
 また、「"退職者は語る"となっており、語らない人は出てこないのですが、本人が何らかの理由で書いてくれない場合や、結果として書かなかった場合は、誰かに頼んで書いてもらったらどうでしょうか」(学外)との提案もいただきました。


☆興味深かった記事、読みやすかったもの、読みにくかったものについて

 興味深かった記事として、二〇〇〇字の世界"タイ北部のHIV/AIDSに対するNGO活動"を指摘する意見が多数見られました。「嬉しいですね、こういうことに、若い人が関わってくれて」(学外)、「私自身が昨年、タイの僻地に出張したこともあり、そんな個人的な体験を含めて、興味深く読ませていただきました」(学外)、「すでに聞いたことのある内容ではあるのですが、学生には多いに参考になる記事と思います」(教職員)などです。
 その他、五十年史編集室だよりには、「広大を含めて、戦後の新制大学設置に関わる政府、占領軍の方針決定の一端を知ることができた」(教職員)、「秀逸です。こういうことを発掘できるのも、五十年史編集室ができたからこそでしょう」(学外)などの意見が寄せられ、自著を語るには、「興味深く読みました。"デモクラシーは政治的意思決定の方法にすぎない"には同感です」(学生)、「私のこれまでの憲法という単語からイメージされる難しく堅いという印象を、変えてくれる自著紹介でした」(教職員)、「鮮烈でした。古東、阪本両教授とも、"これぞ大学教授"といわんばかりの強い信念が感じられました」(学生)などの意見があり、両記事ともに好評でした。
 フォーラムギャラリーについても、「毎号、ここは心安らぐ場になっています。広大フォーラムの名物欄、オアシスのページに定着した感があります」(学外)、「鮮やかな山々、生活感のあるもの、迫力のある動物、優しさの伝わる花々の写真、どれも、圧倒されました」(教職員)などの意見をいただきました。
 一方読みにくかった記事としては、「"開かれた学問"は、純粋の学問の分野では、余程、旨く書かないと、理解が困難です。今回も少し、理解が難しいものでした。同じことは"放射光科学研究センターは今"にも言えます。一般の方にどのくらい理解してもらえるか、広報委員会に、もっともっと内容と文章の検討と推敲が望まれます」(学外)との意見をいただきました。

 
☆広報委員会への意見・要望

 外国人留学生を援助する会の記事について、「ぜひ、毎回宣伝してでも、少しづつでも充実させてください」(学外)、「これらの記事は、連絡先や寄附の方法などが分からないので、もう少し掲載する欄を増やしても良いと思います」(教職員)などの意見がありました。
 ニューズ・ダイジェストについて、「賞、賞といろんなところに載せるのは、あまり意味がありません。賞をもらわなくても、地道に価値ある仕事をしている人は山のようにいるのですから」(学外)、「留学生懇親会なんて、毎年、毎年、もう何年も前からやっていることで、出席できる人が決まっているのに、こんなところに掲載する意味なし」(学外)との厳しい指摘がありました。
 前号のモニターから・編集室からで紹介された「モニターからの欄に一ページも使う必要はないのでは」という意見について、「私はこの紹介を、以前読み残した記事の参考にしたり、自分と違った感想を持たれた方がいる事など、楽しみにしているところがあるので、これからもこのように紹介していただきたいと思っています」(教職員)、「モニターの方が何を考え、何を望んでいるのかを知ることで、広大の発展にもつながるヒントを得られれば、ということでモニター制度があるのではないでしょうか」(学外)などの意見が寄せられました。 (酒井)  



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