生物生産学部長 三國 英實
生物生産学部、生物圏科学研究科を卒業修了される皆さんの新たな出発を心よりお祝いいたします。生物生産学部は一九四九年に水畜産学部として創設され、今年は五十周年の年に当たります。十一月十三日(土)には記念講演、記念シンポジウムを開催し、また、附属施設を活用した体験講座、記念誌の発刊など多彩な行事が計画されております。 水畜産学部は第二次世界大戦後の大変な食糧難の時代に国民の重要な栄養源である水産物、畜産物の生産と利用に関する教育・研究を担う学部として創設され、その後一九七九年に生物生産学部に改組され、また一九九四年には現在の六コース制へと教育組織を改めました。今日では水産、畜産、食品、バイオテクノロジー、環境、食糧情報など多面的な分野での教育・研究を進める学部へと発展しております。また生物圏科学研究科では今年の四月から環境循環系制御学という独立専攻が新設され、大学院の一層の充実が期待されております。 二十一世紀に向けて、地球規模での生物学的多様性を守り育てながら、人類にとって不可欠の食糧をはじめとする生物資源の持続的な生産と開発が大きな課題となっております。今回、卒業、修了、進学される皆さんが、五十年の歴史的伝統を踏まえて大いに活躍されることを期待いたします。
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生物生産学部四年 青木 悠里
高校生のときには、大学生活というのは束縛のない自由なものというイメージがあって、大いにその自由に憧れていたわけですが、入学してみて自由の裏の意味を理解しました。何事も自分でやるということ、待ってても何も起こらないよということです。初めの頃は受身ではないことによく戸惑いましたが、今となってはそんなの当たり前。慣れてくるにつれて、中途半端な自由だな、とも思うようになりました。この四年間は、社会人になったというわけでもなく、かといって義務教育を受けるでもなく、なんとも不思議な期間。でもその期間を思いっきり使わせていただきました。部活を始め、バイトや遊びと、良くも悪くも色々なことを経験しました。最近は研究室で飼ってるニワトリを追いかけている毎日。振り返ってみれば我ながら満足のいく四年間だったと思います。 学部卒業まであとわずか。心残りのないよう、卒業までを過ごしたいと思います。
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生物生産学部四年 山内 琴恵
あこがれの広島大学に入学して、はや四年。相変わらず世間知らずのままだけど、初めは倒れそうになった"ウジ虫の解剖"も、今では笑顔で虫たちのホルマリン漬けを作れるほどに成長した。こんなはずでは・・・と後悔することもあるけれど、結構性に合うらしい。そういえば、他にもいろいろ見えてきた。大学生活は"自分探しの旅"らしい。見つけたものを携えて、この春私は大学院に進学する。
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生物圏科学研究科前期二年 本郷 有克
研究室に配属されてから四年、長かったようで短かったような気がします。研究室の生活はめまぐるしいもので、気がつけば一日の大半を研究室ですごしていました。しかし、唯一のんびりできたのはサンプリング航海の時でした。南西諸島を中心にいろいろなところに行きました。小さな島に寄港して、島の人と酒を飲み交わしたこともたびたびありました。スキューバダイビングでサンプリングをして、海上に上がったとたん漁師に囲まれたことも。その時はびっくりしましたが、漁師の人がこうやって海を管理しているから自分たちはサンプリングができるんだ、と思い直しました。そして、研究室に持ち帰ったサンプルは無駄にならないように使うようにしました。当たり前のことですが、とても大事なことだと思います。また、スキューバダイビングを通して知り合った研究室以外の人と、研究のことやそれ以外のことで相談に乗ってもらったこともありました。 このように研究を通して、ただ自分の研究だけに固執せず、幅広くいろいろな知識や経験を得ることが、この四年間でできたと思います。最後に、このようなすばらしい環境で研究できたことを感謝したいと思います。
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