医 学 部


「卒業生・修了生を送る」

医学部長 松浦 雄一郎
 所定の課程を修了し、めでたく医学部を巣立つ医学部の諸君、おめでとう。諸君は、将来に向かっていろいろな、また多くの夢を抱いていることであろう。これには一部に不安も重なっているかもしれないが。
 国立大学を卒業できるということは、自分は教官が行った卒業試験をクリアしたので卒業、という単純なことではなく、国民の方々の目に見えない支援により、霞での学生生活がかない、卒業の運びとなったということであり、国民の皆さんに感謝の気持ちを抱いて欲しい。いつまでも甘えてはおられず、これからは国民の皆様に恩返しを、という気持ちを前面に出した生活に切り換えて欲しい。すなわち、これまで以上に、人間として、医療人としての磨きをかけなければならない使命感を自覚するということである。
 人間としてということは、人に優しいということであり、医療人としてということは、日進月歩の医学の発展に後れをとらないということであり、生涯修行ということである。前途洋々たる諸君の活躍を祈ってやまない。


 

「これからもよろしくお願いします」

医学科 山下 淳
 思い起こせば五年前、初めて皆さんに会ったのは、ちょっと酔っぱらっていい気分になっていた入学式後の霞キャンパスの食堂でした。「ねぇ、〇〇部なんじゃけど、一緒に飲みに行こうや」と言いつつ、肩を組んで拉致し、居酒屋で、どんな講義をとればよいかアドバイスしてくれた皆さんはとても頼もしかったです。
 新カリキュラムの一年目ということで、「一単位でも落とすと留年かも知れん」とびびる僕たちのそばで、「留年したら二年落ちる」と、やはりびびりながらも何とか一緒に東広島から霞キャンパスにやって来ました。その後も、解剖学から始まり内科学や外科学と、テストのたびにテスト情報や過去問でお世話になり、感謝しています。
 最近、病院実習が始まり、寝不足な顔をして朝早くから病棟をぱたぱた走り回る研修医の人たちをよく見ます。卒業試験、国家試験と大きなヤマをやっと超えたと思ったらもっと大変な生活のようです。次は自分たちの順番なのにまだまだ対岸の火事といったところで「大変そうだなあ」とながめています。これからも、大学病院やどこかの病院で出会うことがあると思います。その時は、学生の時のようにまた声をかけてください。「よう!」と。

 

「患者さんとの出会い」

保健学科看護学専攻 初田 真人
 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。充実した大学生活でしたでしょうか。先輩方とは部活やオリキャンなど多くの活動、行事で接することができ、さまざまな思い出を作ることができました。ありがとうございます。
 先日、新聞に「病人の気持ちを察してほしい」という投書が掲載されていました。入院中、同室の方の所へ看護実習生が頻繁にやってきて、疲れている様子だった。寝ている病人の立場になって、その人の気持ちを察してほしい」という内容でした。
 それに対して、看護学生などの立場から、「悲しいこと」という投書もありました。先輩方も実習で多くの患者さんに出会われ、悩んだり、悲しい思いをされたりしたこともあると思います。就職などさまざまな方面に進まれると思いますが、実習での、そして大学生活での新鮮な体験を心に留めながら、活躍されることを願っています。

 

「ご卒業おめでとうごさいます」

総合薬学科 田口 良太
 卒業生の皆様、ご卒業おめでとうごさいます。大学生活を振り返ってみて、どんな四年間だったでしょうか。きっと多くのことを学ばれ、充実した生活を送られたことと思います。僕たち薬学科は一学年六十人と、他の学科に比べると少なく、こんじんまりとしていますが、学年の分け隔てなく和気あいあいとしております。
 研究室の実習では、まだ何もわからない僕たちに先輩方は手取り足取り丁寧に教えて下さり、今では危なかしいながらもなんとか一人でできるようになり、感謝に堪えません。学年は一つしか違わないのに自分たちとはこうも違うものかと感心したものでした。
 もうすぐ卒業で、四年生の皆さんがこのキャンパスから巣立ってしまうのは寂しい気がします。四月からは、それぞれ薬剤師、製薬企業の研究員等、公務員、または大学院に進学など新しい環境での生活がスタートしますが、ここで身に付けた知識と技術を生かし、ご活躍されることを在校生一同応援しています。

 



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