歯学研究科博士課程 加賀井 清
阪神・淡路大震災の年、ちょうど四年前の春、私は口腔外科学を学ぶため広島大学大学院歯学研究科に入学しました。他大学から来たこともあって、大学の雰囲気がわからない分、不安と緊張で最初の一年が過ぎていきました。臨床に密着した研究テーマを見つけるため、外来・病棟を駆けずり回った記憶がありますが、その先の困難は予想もしていませんでした。二年目に入ると本格的に研究を始め、基礎的な実験の手法はもとより、研究への考え方が身に付いてきたのはこの頃からかもしれません。三年目には学会発表が重なり、後半からは学位論文も意識し出すようになりました。また、とにかくデータを出すことばかりに気を取られていた私が、まとめることの難しさを知ったのもこの時期からです。 修了を目前にした今、仕事も一段落して振り返ってみると、臨床、研究、学会発表さらに学位論文と私にとって困難の連続でしたが、気がついてみればそれは学位だけではなく、いろいろな意味でプラスの経験だったと思います。苦労して得た博士号の学位にも増して、この困難を乗り越えるために良い方向に導いて下さった、教授をはじめとする諸先生方や友だちなどとの出会いは、私にとって大切な宝物になりました。 また研究以外でも活発に行動し、勉強で堅くなった頭を程良くほぐすために、友だちと中国へ旅行に行ったり、川原でのバーベキュー、温泉巡り、竹を切りに行ったり、さらにクラブ系のディスコで夜を明かしたりなど、出来事は書き尽くせません。もし卒業してすぐに歯科診療に従事していたら、経験できなかったこともたくさんあり、自分を見つめる良い機会だったとの思いで一杯です。そんなところで私の大学院生活を振り返ると、研究に私生活に楽しく過ごせた有意義な四年間でした。 最後にそれでは、ばいばい。 |
歯学部六年 福井 康人
月並みな表現ではあるが、長いようで短かった六年間があっと言う間に過ぎ去っていった。この六年間は、これまでの人生の中で最も変化に富んだものであった。はじめて一人暮らしをするようになり、それまで全て親まかせであったことを痛切に感じ、また学年が進むにつれて、自分の未熟さ、認識の甘さをひしひしと実感するようになった。その中で精神的な支えとなってくれたのは、同級生たちの存在であろう。同級生とは六年間、朝から晩まで毎日生活を共にしてきたわけだが、この大学生活は、同級生らの助けなしでは営むことができなかった。特に、六年生になって臨床実習が始まってからは、互いに迷惑のかけ合いであったように思われる。 幸いにも我々の学部は、ほぼ全員が同じ職業に就くということもあり、互いがライバルでありかつ良い理解者であった。そんな環境であったからこそ互いに高め合い、楽しく充実した学生生活を送ることができたに違いない。これからも良きライバルとして、各自の目指す目標を達成できれば幸いである。 最後に、六年間もの長期にわたり熱心にご指導いただいた多くの先生方、我々の学生生活を支えて下さった学校関係、病院関係の方々、そして本当に長い間迷惑をかけ続けた両親に、心から感謝の気持ちを伝えたいと思う。 同級生たちと先生を囲んで(筆者左端) |