学生表彰制度が新設されました 


神 谷   遊(Kamitani, Yuh)
平成十年度学生委員会委員長

 本学は、創立以来多くの優れた人材を社会に輩出してきましたが、卒業生に限らず、在学中から日々の意欲的な活動を通じて、さまざまな分野で高く評価されるべき成果をあげる学生諸君も少なくありません。いうまでもなく、これらの諸君の活動は本学にとっても大きな誇りであり、大学として顕彰するに値するものです。
 そこで、「広島大学における学生の表彰に関する制度」が新設されることになり、平成十一年二月十六日開催の第五一九回評議会において「広島大学学生表彰規程」が制定されました。表彰の対象となるのは、本学に在籍する学部学生、大学院生、専攻科及び特別専攻科学生で、学術研究活動、課外活動または社会活動等を通じて特に顕著な実績をあげた者となっています。
 すでに第一回の表彰は実施されましたが、表彰を受けた諸君にとって、このことが今後の活動の励みとなれば幸いですし、表彰の対象となった成果は、本学に集う学生・教職員全員の財産として共有したいと願っています。なお、第一回の学生表彰を受けた諸君は、次のとおりです。  
学術研究活動に関する表彰
(規程第二条第一号該当)
 李 常(大学院工学研究科博士課程後期材料工学専攻)
 研究論文「Al18-B4-033W/Al複合材料とアルミニウムの積層材料の衝撃特性に及ぼす積層構造の影響」が軽金属学会において特に高い評価を受け、平成十年十月三十日、社団法人軽金属学会会長から軽金属に関する学術の進歩発展に寄与する優れた論文として、平成十年度軽金属論文新人賞を授与(全国で三名)されました。


 
課外活動に関する表彰
(規程第二条第一号該当)
谷本 直子(文学部哲学科)
 学生を対象とした書道の公募展としては全国最大規模である読売新聞社及び社団法人日本書芸院主催の「第三回全日本高校・大学生書道展」において、平成十年八月二十三日、応募者数七〇八四点の中から最高の評価である大賞を受賞しました。

福井 明子(文学部文学科)
 平成十年十二月十二日(土)に開催された、財団法人日独協会主催の「第一回ドイツ語スピーチコンテスト」の決勝大会において、第一次審査を通過した十五人の中から最高の評価である、第一位を受賞しました。

自動車部(男子チーム)
 木島 龍一(工学部第一類)
 藤本 正純(工学部第一類)
 小川  浩(工学部第一類)
 平成十年八月二十二日(土)・二十三日(日)に開催された、全国一一一大学の自動車部で組織する全日本学生自動車連盟主催の「平成十年度全日本学生ダートトライアル大会」(男子の部)に中国・四国地区の代表として出場し、全国各地区の予選を勝ち抜いてきた二十六チームの中から、第二位に入賞しました。

工学部第四類E.S.グループ
 「人力ボート製作チームHues」
 石原 大輔(大学院工学研究科博士課程前期設計工学専攻)
 上田 隆浩(大学院工学研究科博士課程前期設計工学専攻)
 上寺 哲也(大学院工学研究科博士課程前期設計工学専攻)
 渡辺 幸夫(大学院工学研究科博士課程前期設計工学専攻) 
 高妻 愛親(大学院工学研究科博士課程前期設計工学専攻)
 岡本  晃(工学部第四類)
 安村亮太朗(工学部第四類)
 平成十年八月二十二日(土)・二十三日(日)に開催された、日本ソーラー・人力ボート協会主催の「ソーラー&人力ボートレース全日本選手権大会一九九八」の人力ボート部門学生の部で総合優勝し、同部門水中翼艇一周スラロームレースの部で、社会人チームを含め総合第三位(学生の部第一位)にそれぞれ入賞しました。

国際医学生交流会
 平野 庸行(医学部医学科)
 小谷 凡子(医学部医学科)
 吉國  晋(医学部医学科)
 平成十年十二月六日(日)にオーストラリア・メルボルンで開催された第十三回核戦争防止国際医師会議(IPPNW、一九八五年ノーベル平和賞受賞)に参加し、"The Message from Hiroshima;Nuclear Holocaust and its Lifelong Cruel Consequence"というワークショップを主催し、広島・長崎の原爆による被害と後遺症に関して発表、被爆者の声という自作ビデオの上映などにより、世界各国からの参加者に深い感銘を与えました。


広島大学学生表彰規程

 (目的)
第一条 この規程は、広島大学通則第二十七条第二項、広島大学大学院学則第二十七条第一項、広島大学専攻科規程第十六条第一項及び広島大学特殊教育特別専攻科規程第十五条第一項の規定に基づき、学生の表彰について必要な事項を定めることを目的とする。
 (表彰の基準)
第二条 表彰は、次の各号の一に該当する本学の学生又は学生を構成員とする団体について行う。
(一) 学術研究活動において、特に顕著な業績を挙げたと認められる者
(二) 課外活動において、特に優秀な成績をおさめ、課外活動の振興に功績があったと認められる者
(三) 社会活動において、特に顕著な功績を残し、社会的に高い評価を受けたと認められる者
(四) その他前三号と同等以上の表彰に値する行為等があったと認められる者
 (表彰対象者の推薦)
第三条 副学長、学部長、研究科長又は広島大学学生生活委員会委員長は前条各号の一に該当すると認める者があるときは、学長に推薦することができる。
 (表彰の審議)
第四条 学長は、前条の推薦があったときは、審査会を設置する。
二 審査会の構成員は、別に定める。
三 表彰は、審査会の意見を聴き、広島大学部局長会議の議を経て行う。
 (表彰の方法)
第五条 表彰は、学長が表彰状を授与することにより行う。
 (表彰の時期)
第六条 表彰は、原則として次の日に行う。
  創立記念日
  学位記授与式の日
二 前項の規定にかかわらず、表彰する必要があると判断されるときは、その都度行う。
 (公表)
第七条 被表彰者は学内に公表する。
 (事務)
第八条 学生の表彰に関する事務は、学生部学生課において処理する。
 (雑則)
第九条 この規程に定めるもののほか、学生の表彰に関し必要な事項は、学長が別に定める。


広島大学学生表彰規程に関する申合せ(要約)

表彰の対象者について
 表彰の時点において、死亡又は卒業等により学籍を離れている者についても、その者の在学中に行った行為が死亡又は卒業等の後に高く評価されたときは、広島大学学生表彰規程(以下「規程」という。)第一条及び第二条の規定に係わらず、表彰の対象として考慮するものとする。

重複表彰について
 重複表彰の制限はしないものとし、一度表彰された学生に再度表彰に値する行為等があった場合には、再度の表彰を行うことができるものとする。

表彰の方法について
 サークル等の学生団体の活動が表彰に値するものであった場合には、その団体を表彰するものとするが、表彰状は、その活動に従事した構成員個々に授与できるものとする(例えば、団体競技で優秀な成績を収めたことを理由に表彰する場合は、その競技会について出場選手登録がなされていた学生個々に表彰状を授与す。)。

表彰の公表について
 規程第七条による表彰を受けた者の公表は、学報及び広大フォーラムに掲載するとともに、学内掲示板に掲示することにより行うものとする。

表彰の基準について

(一) 学術研究活動に関する表彰について
学部生
@「成績優秀者」
 各学部は、各年度において卒業する学生の中から、原則として一名の「成績優秀者」を選定し、推薦するものとする。
 「成績優秀者」を一名とするか否かは、各学部の判断に委ねる。
 「成績優秀者」を選定する方法は、各学部に委ねる。
Aその他
 前記の「成績優秀者」とはならなかったが、所属学部の専門領域において国内外の学界で高く評価される研究実績をあげた者については、別途表彰の対象者として推薦することを妨げないものとする。
大学院生等
 大学院生等については、研究論文、研究業績等が国内外の学界において特に高い評価を受けた者がいる場合に、表彰の対象として考慮するものとする。

(二) 課外活動に関する表彰について

体育系
 体育系の課外活動における成績としては、各レベルを想定することができるが、一応の目安として「全国規模の競技会での入賞及びそれに準じる成績」以上の成績を収めた者を表彰候補者として考慮するものとする。
文化系
 文化系の課外活動における成績としては、各レベルを想定することができるが、一応の目安として「全国規模のコンクール等での高い評価及びそれに準じる評価」以上の評価を得た者を表彰候補者として考慮するものとする。

(三) 社会活動に関する表彰について

 ボランティア活動、人命救助、犯罪防止、災害防止等の社会活動で特に顕著な功績があった者を表彰候補者として考慮するものとする。
 なお、国内外の公的機関等による表彰の有無、新聞等による報道の有無は、あくまでも参考にとどめ、表彰の絶対的基準とはしないものとする。

(四) その他の活動による表彰について  その行為が社会的に高く評価され、本学学生の模範となりうる者を表彰候補者として考慮するものとする。
 
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