法学部長 高橋 弘
入学おめでとう。いろいろな思いや希望をもって、法学部へこられたことでしょう。 ところで、「」という字を知っていますか。これが「法」の本字なのです。水は「公平な基準」、は「人の正邪を見分けるという神獣」、去は「悪を去る」を表し、これらの合字がなのです。法は、決して「水気を去った」「味気ない」ものではなく、深い意味をもっているのです。 また、古い話で恐縮ですが、私が学生の頃は、上着は詰めエリの学生服を着ていました。そして、襟元に法学を示す「J」のマークをつけていました。これは、Jurisprudenceの略で、ラテン語の Jurisprudentia(法の賢慮)に起源をもっています。この語が示しているように、法学は、変化する社会の中の対立する諸利益を調整するため、長い人類の歴史の過程で先人たちが創造してきた"賢い思慮の結晶"なのです。 来るべき二十一世紀に活躍される諸君は、「の賢慮」を理解して、本学部で十二分に学んで下さい。この四年間が充実した日々になることを祈っています。 |
法学部四年 掛札 真平 民法ゼミ所属
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。長い受験の時期が終わり、皆さん胸の中にやりたいことが積もり積もっていることと思います。とりあえず遊びましょう。バイトしましょう。飲みましょう(いや、未成年は酒飲んじゃいけませんね。建前上)。とにかく大いに楽しみましょう。ほとんどリスクなしに乱痴気騒ぎができるのは、今のうちですから。しかしながら一方で、ほとんどリスクなしに勉強ができるのも、やはりこれが最後だということも、忘れないで下さい。 広島大学は学部が多いので、理論上さまざまな講義の選択が可能です(こんなおいしい状況、逃すわけにはいきませんぜ旦那)。 問題なのはバランス感覚でしょうか。遊びにしろ勉強にしろ、一つに偏るとロクなことになりません(私がいい見本です)。 何にせよ、時には苦しむことも必要ですが、楽しくなくっちゃ意味がありません。皆さんそれぞれのやり方で、存分に楽しんで下さい。
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大学院国際協力研究科博士課程前期一年 法学部平成十年度卒 山崎 純
私の場合、アジア政治ゼミの吉田修先生に、タイのタマサート大学に連れていって頂いたことは一生忘れることができない。その際にタイの友人もでき、他国の人が何を考え、どんな生活を送っているのか、タイの文化や社会習慣を教えてもらったことは、大いなる財産となった。今の若いアジアの人たちはほとんど私たちと同じ事を考え、感じていた。そして「日本」というものを特別視せずに、日本の文化を積極的に受け入れていた。これからも交流を続けていきたいと思う。皆さんにも、ぜひともこの四年間のうちに外国へ行くことを勧めたいと思う。日本の日常では体験できないことを感じることができると思う。 多くの人に出会えたといえば、体育会も忘れることができない。学部や学年の異なる人たちと出会え、いろいろな考えを持った人たちに影響を受けた。本部のさまざまな行事で働き、わからないことだらけであったが、それなりに努力して自分自身を成長させることができたと思う。だから体育会に入ろう。体育会といわないまでもさまざまな課外活動があるので、無理をしない範囲で積極的に参加するのがよいと思う。 最後に、今年は広島カープ創設五十周年の年である。広島に来たのも何かの縁である。みんなでカープとサンフレッチェを応援しよう。もちろん、私は大のカープファン、サンフレッチェファンである。 *筆者の前に座っておられるのが吉田先生。大変若々しいので、すっかり紛れて、そうとはわからない? |
法学部四年 長井 誉史 商法ゼミ所属
新入生のみなさん、入学おめでとうございます。まず何よりも受験から解放されて、開放感でいっぱいだろうと思います。しかし、その開放感に浸り過ぎていると、いつの間にか一年や二年過ぎてしまっている、というようなことになってしまうかもしれません。 これから始まる大学生活は、これまでの中学や高校とは違って、ある意味自由で束縛のない世界だと言えるかもしれません。しかしそのことは、自己管理がどれだけできるかということに懸かっていると言えると思います。周りに流されることは、一見楽で、ある程度の達成を得ることができるかもしれません。しかし、本当の意味での達成感、満足感を得ることはそう容易にできることではなく、自ら目標を持って、その方向に向かって動き出して初めて、一歩近づいたに過ぎないのだと思います。そして、それが具体的に可能なのがこの大学時代であって、この大切な時間をぜひ有効に使って欲しいと思います。 みなさんの御健闘をお祈りしています。
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