歯学部長 長坂信夫 広島大学歯学部に入学されておめでとう。 本学歯学部は、国立十一大学歯学部のうち三番目に設置され、歯科保健医療におけるコ・デンタル(歯科衛生士学校、歯科技工士学校)の教育機関を併設している。西日本における歯学教育の拠点として、充実した歯学の教育及び研究内容を誇り、また、地域医療へも多大な貢献をしてきた。それゆえ、入学生諸君は我が歯学部に入学したことを、喜びに思い誇りに感じて欲しい。 残念なことに、入学者の中には他学部への想いを捨てきれず、歯学部を腰掛けと考えている者が毎年少なからずいる。これは、歯学を修めるために障害となるばかりでなく、本当に歯学を学ぼうとしている受験生の入学を阻止しているともいえる。一度方向を決めたなら、その学問を追求し、究める努力をするべきではないだろうか。積極的に学ぶ過程の中でこそ、未知に対する興味が湧き、その学問の魅力が理解できるはずである。 人生何事においても、運、不運はつきものである。不運を嘆くよりは「災い転じて福となる」ようにまず気持ちを整理し、努力して幸運をつかめるよう、自分の環境や考え方を変えていくことが必要である。いかなる時も、目先の欲に惑わされてはいけない。 本学部は医の倫理に基づく全人格的教育によって、全身的健康管理に対応できる一般医学知識を背景とした、高度な学識と専門技術を有する歯科医師の養成を目指している。また、歯学のみならず、広く生命科学や学際的分野の研究をも促進し、国際的に評価される研究成果を挙げることを目標にしている。そして、二十一世紀に向かって、国際的でかつ魅力ある学部教育並びに大学院教育の改革を立案している。 新入生諸君には、国際社会で活躍できる優れた歯科医師及び研究者となれるよう、入学当初から六年間何事にも真剣に取り組み、協調性に富む人間形成を心がけ、生涯歯科健康医療に従事して国民の健康を守るべき決意で学んでくれることを願うものである。 |
歯学部学生 小澤 仁 入学おめでとうございます。みなさんはどんな希望や目標を持って、広島大学に入学されたのでしょうか。どんな大学生活を期待されているのでしょうか。 僕の主観が入ってしまって申し訳ないのですが、大学生活の最大の特徴といえば、自分の時間が持てるということだと思います。 そしてこれをどう使うかが、これからの大学生活を決定する上で、重要な因子となるでしょう。 研究したいこと、勉強したいことがある人ならば、それに時間を費やすのもいいでしょうし、アルバイトやボランテイア、クラブ活動などを通して社会勉強をするのもいいと思います。 ちなみに僕が一番大切にしてきたことは、友人たちとの交流です。同じ学部の友人たち、オリキャンで出会った仲間たち、クラブで知り合った友人たちや先輩、後輩など、僕は多くの人とこの広島に来て知り合い、助けられてきました。そしてさまざまなことを学び、今かけがえのない時間を刻んでいると思っています。 大学生活は専門的知識と社会に対する適応性を身につける期間であるとともに、自分の将来に深く関わる人や物との、出会いの場であると僕は考えています。この限られた時間を、みなさんはどう使いますか。 診療室で友人たちと(筆者最後列) |