外国語教育研究センター 

 外国語教育研究センターが行う学生に対する教育支援の中から、英語研修プログラム・英語キャンプ、TOEFL公認模擬テスト、マルチメディア外国語自習室について簡単に紹介しましょう。

英語研修プログラム

 英語研修プログラムは、外国語教育研究センターが、英語力を伸ばしたい学生・教職員向けに提供する自由参加の英語講座です。英会話初級・中級・上級、各種英語検定準備講座、英語劇、ディベートなどのさまざまなコースに、毎回百五十人から四百人の参加者があります。
 通常の授業とは異なり、単位は出ませんが、修了するとセンター発行の修了証が交付されます。(将来は単位化も検討中。)本当に英語が勉強したい人だけが全学から集まり、参加者の五人に一人は大学院生です。会話等でとりあげられる話題・議論の質はかなり高く、知的な刺激にもなります。ディスカッションでは、異文化理解、環境問題、家族・男女関係、国際情勢、スポーツなどがよくテーマとなります。他にも英語の単語や発音のゲームをしたり歌を取り上げることもあります。
 各種英語検定準備講座は、英検・TOEFL・TOEICが対象です。最近は、多くの企業で就職試験の受験資格として英検やTOEICの一定のスコアを要求するようになってきました。また、北アメリカの大学に留学するためにはTOEFL五百五十点以上のスコアが要求されます。講座では日本人が弱いリスニングと中級レベルの語彙の訓練に重点が置かれます。
 学生は、おもしろくなければいつでもやめられるので、講師の方も真剣勝負です。教授法上の裏付けに基づく最新の方法を工夫し、効果的で楽しい授業を心掛けています。
 英語研修プログラムは、毎年四月と十月に募集があり、それぞれ十週間開講されます。また二月には、一週間の特別集中コースが行われます。
 本年は、新しい試みとして、留学生センターの長谷川伸次先生や総合科学部の吉田光演先生の協力を得てスペイン語講座や独検準備講座も行っています。将来的にセンターのスタッフが充実し、支援体制が整えば、研修プログラムを一層充実させていく予定です。

英語研修プログラムのひとこま



TOEFL学内模擬試験

 センターでは年二回学内で、TOEFL模擬試験(Test of English as a Foreign Language: Institutional Test Placement)を行っています。前期は七月三日(土)午後一時から総合科学部L101号室で行います。
 受験料は、正規のTOEFL受験料の四分の一の三千円です。模擬試験とは言っても、北アメリカの大学に留学する際のスコアの証明に使えないことを除けば内容・形式・採点方法ともすべて本物のTOEFL試験と同じ公認模試です。このスコアは、履歴書にも書くことができます。
 昨年十二月には八十三人の広大生が、この試験を受け、平均点は四百八十八点、最高点は六百四十七点、最低点は三百六十七点でした。うち、五百五十点以上取った学生は十三人です。あなたもチャレンジして見ませんか。
 なお、TOEFL模試に向け勉強したい人のために、外国語教育研究センター外国語第2自習室(西図書館一階)に、多くのTOEFL受験準備用教材(テープ・テキスト・CD-ROM)が用意されています。こちらも利用してください。




About my Speaking Classes
           Teaman, B., Assistant Professor, FLaRE

My students at first are entering a strange land that they are unfamiliar with: A foreign teacher who mostly speaks in a foreign language who asks them to do things that they have never even tried before. They are in a class which is not passive but active. You can learn ABOUT tennis by reading books, but you can't PLAY it until you practice with a real racket and real balls with a real partner. Speaking is also like this. Speakers must use their vocal tracts to produce meaningful utterances in a foreign language. My students are often reluctant to speak because they have never tried to before, but they soon find out the first day they can have a conversation in English. If you want to speak, you must speak, so my goal is make sure that my students are speaking and listening in real conversations at least half the time in the ninety minute class.

左側で立っているのが筆者




英語キャンプの思い出
     教育学研究科博士課程後期二年   李 惠 蓮

 私は昨年十月二十四・二十五日に野呂山で行われた外国語教育研究センター主催の英語キャンプに参加し、色々な友達や英語の先生と一緒に英語と英語圏の文化に触れ、楽しい時間を過ごすことができました。
私たちは自分達の力でテントを張り、英語を使った単語ゲームをしたり、森の中を歩きながら、また、瀬戸内海を眺めながら、英語で話し合ったりする機会を持つことができました。夜はアメリカのZip Packという料理を作って食べました。その味はとても美味しくて今も忘れられません。そのうえ、きれいな流れ星や銀河をみんなで見ることができ、その感動は今も心の中に焼きついています。
 最後に楽しい思い出を共にしたAyaka, Hiroaki, Hiroko, Hiroshi, Ikuko, Masato らと、この英語キャンプのために色々準備してくださったArran, Bardeck, Brian, Joe の各先生に感謝の気持ちを伝えたいと思います。今、これを読んでいるあなたも今年は、ぜひ英語キャンプに参加してみませんか。

写真は英語キャンプのひとこま 筆者は右から2人目




外国語教育研究センターって何?
      岩崎 克己(外国語教育研究センター助教授)

 外国語教育研究センター FLaRE(Institute for Foreign Language Research and Education)は、広島大学における外国語教育の改革のためのシンクタンク機能を持つ学内共同教育研究施設です。二年前に発足しました。センターの主な役割は、(一)教養的教育科目外国語の企画・立案および具体的な改革案の提案、(二)外国語教育・教授法の理論的な研究とその裏付けに基づく教材開発、(三)学生の自学自習を支えるための環境整備と教育支援の三つです。また、発足時に総合科学部から引き継いだLL教室やCALL教室も管理・運営しています。
 コンピュータを利用した外国語教育CALL(Computer Assisted Language Learning)の研究と実践やマルチメディア教材の開発、また自習用コンピュータルームの整備の面では国立大学の中でも先頭を走り、各方面から注目されています。改革案の提案という面でも、現在、学外語学検定資格を外国語の単位として認定する際のガイドラインづくりを行っています。
 植木センター長曰く、「センターの目標は、広島大学の外国語の教育と研究をあらゆる面で、世界的な水準にすることだ。容易なことではないが、やらねばならない。」
 これからも、ひとつずつ着実に結果を出していきます。今後とも、全学的なより一層の支援をお願いします。

センター発行のバイリンガル広報紙FLaRE News

外国語教育研究センターを支えている人たち 筆者は中列右から2人目



新しい外国語自習室がオープン
    昨年度の教育研究学内特別経費により、西図書館一階に新しいマルチメディア外国語自習室(正式名称、外国語第二自習室)がオープンしました。
 この新自習室には、今話題のカラフルなiMac(赤・緑・オレンジ・紫)五〇台およびVOD(ビデオオンデマンド)用Windows端末二〇台からなるコンピュータ学習コーナーと、海外衛星放送・ビデオ・オーディオコーナーがあります。

コンピュータを利用した外国語学習
 コンピュータ学習コーナーには、多くのコンピュータ教材が用意されており、これらを利用したマルチメディア外国語学習が可能です。もちろんインターネットやe-mailの送受信もできます。学習コーナーの机の面積は可能な限り広く取ってあるので、単にキーボードを操作するだけでなく、同時に本やノートも広げた多面的で"人間らしい学習"が可能です。
 このコーナーのもう一つの特色は、デジタル化されたビデオ映像をボタン一つで自由に呼び出して視聴できるVODシステムです。また既存の映像コンテンツをデジタル化し、DVD-ROMに焼き付けるコーナーも設けました。たとえば先生方の講義の録画ビデオなど、自前の映像コンテンツがあれば、それらをここでVOD化して有効活用することができます。

カラフルなiMacがならぶ外国語第2自習室(西図書館一階)

自習室にそろえられた語学教材の一部


海外衛星放送・ビデオ・オーディオ
    海外衛星放送・ビデオ・オーディオコーナーでは、英・独・仏・中・伊・西等の海外テレビ・ラジオの衛星放送が受信できます。また、各種語学検定試験のためのリスニング教材をはじめ、外国語学習用ビデオ・オーディオ教材が多数用意されています。さらに、 英語字幕付きの劇場映画をはじめ、多くの映画ビデオをそろえています。
 広島大学の学生・教職員の皆さん、一昨年オープンしたマルチメディア外国語自習室(総合科学部J一〇一)とともに、この新しい外国語第二自習室(西図書館一階)も大いに利用してください。



「自習室から世界へ」
     社会科学研究科2年 田中 雅敏

 オープン以来、マルチメディア自習室を利用している。私の場合、もっぱらインターネットとE-メール、そして衛星放送でドイツのニュースを視聴している。ここでは自分の好きな時間に自分のペースで外国語に触れることができる。それがこの自習室の魅力だ。
 近年は日本に居ながら世界の情報を収集でき、マルチメディアを媒介にした外国語学習が盛んになってきているようである。私にとっても、ドイツのニュースや雑誌をオンラインで視聴することで、生きたドイツ語に触れる良い機会となっている。
 今年の一月に広島大学で開催された「ドイツ語教授法セミナー」に参加し、実際にマルチメディアを利用した授業プランを作成し実験授業を行う機会にも恵まれた。活字から学ぶ外国語学習法もあるが、マルチメディアを使えばきれいな画像や音声で外国語を学んで いけるのだ。西条に居ながら世界の情報を収集(交換)できる―自習室は世界の情報への「どこでもドア」である。



外国語第二自習室の開室時間
 授業期間中は、毎週月〜金午前十時〜午後七時、毎週土 午後十二時〜午後五時までです。
 ◎問い合わせ先
広島大学外国語教育研究センター事務室(総合科学部J棟二階J二〇三号室)〒七三九―八二五一 東広島市鏡山一―七―一 TEL:0824-24-6424
FAX:0824-24-0755
e-mail address: langlabo@ipc.hiroshima-u.ac.jp
URL: http://www.ipc.hiroshima-u.ac.jp/~langlabo/


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