学長インタビューNo.30

 みんなで作る50周年  
−積極的な参加を!!−




 今年は広大が創立五十周年を迎えます。渡邊、成定両副委員長は、桜の散り始めた、曇り空の四月十九日の午後、学長室で五十周年記念事業を中心に学長にインタビューしました。




五十周年に向けて

渡邊:今まで五十周年事業としてどういうことが行われたのでしょうか

学長:まず、ペニー彫刻「平和行進曲像」を附属図書館に設置した。第二に初代学長森戸辰男先生の蔵書並びに関係資料の整理を行い公開した。第三に東広島キャンパスに桜を一一一一本植えた。第四に広大のロゴマークの制定を行った。第五に図書館前の広場を「佐竹スクエア」とした。
 今年の九月には「大学改革をどうするか」ないしは「二十一世紀は大学はどうあるべきか」といったテーマで六カ国学長サミット広島会議を開催し、十月には『広島大学五十年史』を刊行の予定である。さらに、大学間協定を結んでいる大学から贈られた樹木を植えて「国際の森」を作る予定である。


募金の御協力を!

成定:記念になるような建物の建設をお考えですか。

学長:八百人位収容できるホールと同時通訳施設付きの会議場等を持った記念会館を作りたい。現在、東広島市や広島大学にはパーフォーマンスができる所がない。映画館もない。この新しく建設する記念会館で、映画を上映できるし、音楽会、演劇も可能となる。また、国際会議の講演会も開催できる。そのためには、平成十三年までに約十五億円を集めねばならない。皆さんの浄財を募って十億円、私が企業などから五億円集めるべく働いてできるだけ立派なものを作りたいと考えている。私は寄付第一号ということですでに三百万円を寄付した。今、募金活動に歩いているが、今日も、ある企業から億単位で寄付していただくという約束を取り付けてきたばかりだ。できるだけ多くの募金を皆さんが行ってくだされば、それだけ立派なものができるだろう。


向井千秋さん来る
オペラ「蝶々婦人」に参加を


渡邊:今年は多くの大学で五十周年を迎えていますが、本学の記念事業の目玉は何ですか。

学長:十一月五日に記念式典を行うが、式典は武者小路千家家元の献茶で始まる。また、宇宙飛行士の向井千秋さんを招いて記念講演会を予定している。これは本学だけの独自の企画で、東広島運動公園体育館を会場にして、地元の小・中学生にも話を聴かせてあげたい。十一月六日には、毎年行っている留学生のためのパーティを、今回は五十周年行事の一つとして東広島でやりたいと考えている。この時は、留学生や学生たちからも何かパフォーマンスをしてもらいたい。
 同じ六日には、オペラ「蝶々夫人」のゲネプロ(総練習)を東広島中央公民館で行う。留学生、学生、東広島市民等多くの人に聴いて欲しい。同じオペラを十三日と十四日に、広島アステールプラザで公演する。私がピンカートンをやる。上演にあたって、スタッフは音楽科の教官、舞台美術は学校教育学部の諸君が受け持ち、オーケストラや合唱も広大の学生に参加していただく。本学の総力を挙げてのオペラにしたいので、我と思う諸君はオーケストラや合唱に積極的に参加してもらいたい。皆で五十周年記念事業をやろう、ということだ。この公演で切符がたくさん売れたら、その収益は記念会館の建設費用にあてたい。


学生諸君の参加を
  学生歌、応援歌を募集 一席十万円の賞金

成定:記念事業への学生の積極的参加を促すための方策についてお聞かせください。

学長:学生諸君が今後の五十年を作っていくわけだから、このような節目に広大で学んでいる学生諸君は、すべての行事に積極的に参加して欲しい。こういう事をやりたいと言う斬新な意見やアイデアがあったらぜひ申し出て欲しい。例えば、本学には「学生歌」や「応援歌」がないので、五十周年の記念事業の一つとして、学生歌ないし応援歌を公募したい。新しい感覚で歌を作ってもらい、採用された作品は表彰したい。


大学をよくするためには

渡邊:五十周年を期に、学長は本学の構成員に何を望みますか。

学長:本学をよくするためには、まず教官の意識改革をお願いしたい。教育をし、学生の面倒を見るとともに、少し世間にも眼を向けて、広大を社会に向けてアピールして欲しい。そうすれば大学は必ずよくなると思う。また、学生諸君は就職に危機感を抱いているので、在学中に付加価値を付けてあげたい。そのためにはメディア関係の設備の充実を考えており、西図書館のコンピュータを約五百台にする。これをドンドン使ってもらいたい。先輩は後輩にコンピュータの指導をしながら深く学ぶ。このような人にはサポーティングスタッフとしてバイト代くらいは出したい。お互いが切磋琢磨する事により、就職も容易になると思う。社会が必要とするような人材を世に出せると思う。
 メディアセンター構想もその一つだが、私は在任中に基盤整備を行って次の世代に譲りたい。


成定副委員長

渡邊副委員長


創立五十周年記念事業計画

☆記念式典及び記念祝賀会
 平成十一年十一月五日(午後)   広島大学西体育館
☆記念講演会

 平成十一年十一月五日(予定) 東広島運動公園体育館
 講師:向井千秋氏(宇宙飛行士)
☆地域と協力したイベントの実施
 ・オペラ公演
演目:蝶々夫人
演出:十川稔氏
 東広島公演(無料):平成十一年十一月六日 中央公民館
 広島公演:平成十一年十一月十三〜十四日 広島アステールプラザ
・体育会、音美連等学生によるイベントの実施
・東広島市との共同事業
・各学部事業(六月一日現在決定分)
一.教育学部、学校教育学部
シンポジウム
 「生涯学習時代の学力を問う」
 平成十一年十一月八日
二.生物生産学部
記念講演会
 平成十一年十一月十三日
 東広島キャンパス(会場未定)
 講師:森本 稔
  (農林水産省水産庁次長)
記念シンポジウム
 「二十一世紀における生物生産学」
 平成十一年十一月十三日
 東広島キャンパス(会場未定)
 講師:生物生産学部教官
☆記念建物「創立五十周年記念会館(仮称)」の建築
 広島大学各同窓会を中心として設立された記念事業後援会が募金し、本学に寄附され、この資金で建築。
☆五十年史刊行
図説・年表編 平成十一年十月刊行予定
通史・資料編 平成十四年十二月刊行予定
☆森戸文庫企画展
 (初代学長森戸辰男氏の蔵書、関係資料を整理、公開)
 「森戸辰男とその時代」
平成十一年十一月一日から十二日(予定)広島大学中央図書館
☆国際交流協定締結校との交流記念植樹
 東広島キャンパスを「国際の森」と位置づけ、大学間交流協定締結校と交換記念植樹
☆六カ国学長サミット広島会議
 平成十一年九月二十日から二十一日
 広島国際会議場

既に実施済みの事業
☆ペニー彫刻「平和行進曲像」の設置
中央図書館一階ロビーに設置 平成十年五月二十八日
☆公開講演会(国際協力研究科)
 「歴史と新世界秩序」 平成十一年一月二十六日 中央図書館ライブラリーホール
講師:英国上院議員ヒュー・トーマス卿
☆ロゴマークの制定
 学内公募し、一席、二席を平成十一年二月一日決定



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