去る六月二十九日から七月二日、広島市元宇品の広島プリンスホテルにおいて第七回日本イタリア合同セミナーが行われた。
今回は広島大学が担当となり、理学部数理分子生命理学専攻森川弘道教授および嶋田拓教授が中心となりオーガナイズされた。本セミナーは“Molecular Biology of Growth and Development in Plants and Animals-植物及び動物細胞における生長と発生の分子生物学”と題して行われた。
本セミナーは、日本学術振興会をはじめイタリア大使館、CNR、三共生命財団などの支援を得て、イタリア側からは十五名、日本側からは十九名の正式参加者を迎えた。
本セミナーの初回は一九八五年に名古屋で行われ、以来、二年毎に日本、イタリア交互に開催されてきた。今回で第七回を数えるが、毎回医学、動物学、植物学の分野からほぼ同数の参加者を迎えて行うもので、学問分野横断的に行われる極めてユニークな国際合同セミナーである。
初日のWelcome Partyには原田康夫広島大学学長と牟田泰三副学長さらにイタリア大使館Carlo Errani参事官を迎え、極めて友好的な雰囲気のもとに始まった。特に原田康夫学長は流暢なイタリア語で挨拶され、イタリア参加者に極めて友好的な雰囲気を提供した。
さらに会が進む中で、何曲かの学長自らの作詞作曲によるオペラなども披露され、一層友好的な雰囲気が高まり、初日以降の四日間にわたるセミナーの大きな成功のきっかけとなった。
セッションでは合計三十の論文が発表され、植物及び動物における生長と発生の分子生物学について細胞生物学、生理学など多角的な立場から、また基礎と応用両面から熱心な議論が進められた。合同セミナーの間を縫って宮島と原爆資料館へのエクスカーションが企画され、セッションは深夜にもおよびハードなスケジュールであった。
次回は二年後にイタリアのナポリで開かれることがイタリア側から発表され、七月二日午後、盛会のうちに別れを惜しみつつ散会した。