本年の四月以降、評議会のもとに新たに設置されたマスタープラン部会では、昨年度答申されたマスタープランの精査を行い、改革の方向をより明確にし、可能ならば達成目標の年次計画を示し、評議会の他の部会および関連する全学委員会と協力しながら、具体的なアクションプランの策定を急ぎたいと考えている。本稿では、まず、マスタープラン策定の目的と背景を述べる。次に、マスタープランの骨子を抜き出し、改めて理解を求めるとともに、現在のマスタープラン部会が審議している内容も含め、改革の方向について説明することにしたい。なお、昨年度の部局長連絡会議の中に設置された二十一世紀の広島大学像マスタープラン策定部会が学長に答申した全文は、部局長会議で公表され、すでに多くの部局において配布されていると承知しているが、広報委員会のホームページに掲載しているので参考にしていただきたい。|
マスタープラン策定の目的
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(1)学部教育と大学院教育との相対的な役割の分化を図りながら、新しい時代に対応した大学院の整備・充実と、教養的教育の更なる充実を含む学部教育の抜本的改革を目指す。 (2)真の総合大学を目指して、学部・研究科間の相互の交流推進による教育研究の活性化および専門深化を図るとともに、新しい学問領域を開拓・発展させる。 (3)開かれた大学を実現するため、大学情報の公開を推進し、地域社会・国際社会とのネットワークを構築して、知的情報の創造と発信機能を充実させる。 |
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マスタープラン策定の背景
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本学の自己点検・評価委員会は、広島大学白書1・2(一九九二・一九九五)および広島大学総覧「資料で見る広島大学」(一九九六・一九九八)を編集し、当面の課題として、(1)学部教育の整備、(2)大学院の教育研究の整備充実、(3)管理運営機構の整備、(4)自己点検・評価体制の整備、(5)キャンパスの整備、(6)情報通信ネットワークの整備、(7)国際化への対応、(8)社会との連携(生涯学習社会への対応)をあげている。|
マスタープランの骨子
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統合移転も完了し、残された課題はあるものの、総合大学としてのハード面での整備の大半は終わった。これからは、広島大学の理念の実現と競争的環境にうち勝つ個性豊かな大学の創造に向けて、教育活動と研究活動の飛躍的な発展を目指した内容面での改善と、それを支える意識改革を行わなければならない。マスタープランは、国立大学を取り囲む社会情勢の厳しさを考えるとき、およそ今後五〜十年を展望し、本学としての将来を確かなものとするための基本的な方向を定めるものであり、改革・改善のためのアクションプランは、この方向に従って策定し、可能なものから速やかに実施に移す必要がある。|
(1) 学生の多様化に対応する新たな教育目標の設定 (2) 学部・学科制度の見直しと新しい教育体制の構築 (3) コース制の導入とプログラムによる教育への移行 (4) 学内流動化の推進と入試制度の抜本的改善 (5) 課外活動などの自主的活動の重視 |
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(1) 教育研究の分離と教官所属組織の再編成 (2) 設置目的の違いによる多様性を生かした大学院の整備充実 (3) 新しいタイプの大学院制度の導入 (4) 社会人の積極的な受け入れと修業年限の弾力化 |
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(1) グローバルな研究動向を反映した学内研究体制の重点的・個性的整備 (2) 研究成果の公表と適切な評価システムの構築 (3) 人事交流の推進と先端的研究分野における任期制の活用 (4) 大学院整備と連動した学内共同教育研究施設の整備充実 |
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(1) 評議会の活性化のための新しい制度の導入 (2) 学長のリーダーシップ機能を高めるための執行機関の充実 (3) 全学委員会の権限と責任の強化および審議スケジュールの公表 (4) 迅速な議事録の公開など構成員の意思決定への参加を促すための工夫 (5) 協議会など学外からの意見聴取のための新たな制度の導入 |
〈主な審議事項〉|
(1) マルチメディア時代に対応する情報環境の整備充実 (2) 三キャンパスの特徴を生かした整備計画の策定 (3) 環境と調和した効率的な施設利用のためのルールづくり (4) 多目的ホールなど文化的諸施設の計画的整備 (5) キャンパス・アクセスの改善 |
◇ 東広島・霞・東千田それぞれの特徴を生かしたキャンパス整備プランを早急に策定すると共に、三キャンパス間に緊密な情報交換を可能にする情報環境基盤の整備を行う。|
(1) 地域交流のための交流ネットワークや情報通信ネットワークの整備 (2) 大学間交流締結校の拡大と交流推進のための施設整備 (3) 地域共同研究センター、教育開発国際協力研究センター、留学生センター等、学外に開かれた施設の充実 (4) 国際化や大学の地域開放を推進するための遠隔教育システムの構築と、それを支える研究体制の整備 (5) 大学情報受発信の拠点を大学教育研究センターに設置 |
以上が、マスタープランの骨子と、アクションプラン策定に向けてマスタープラン部会で検討している主な審議事項である。審議事項の中には、まだ十分議論されていないものも少なくなく、部会として合意を得ていないものも含まれている。また、諸般の状況から考えて実現が困難な事項も含まれている。今後、事項を重要度・緊急度によって再整理を行い、さらに具体的な検討を加えていきたい。
人事部会付託事項