2000字の世界(31)

国際交流ボランティア?

文・写真
 河 内 初 恵(Kouchi,Hatsue)学校教育研究科
 林 田 知 美(Hayashida,Tomomi)文学部
 原 田 陽 子(Harada,Youko)教育学部
 広 瀬   茜(Hirose,Akane)教育学部
 横 林 由 香(Yokobayashi,Yuka)教育学部

  広島大学国際交流ボランティア


広島大学国際交流ボランティアとは
 留学生センターによって組織される「広島大学国際交流ボランティア」は、平成十年六月に発足しました。この国際交流ボランティアは、留学生支援という、ボランティア活動を通じ、日本人学生と留学生との国際交流を促進するという目的のもとにつくられました。
 私たちは、以前から異文化体験や留学の希望があり、また国際交流に興味を持っていたので、組織発足と同時にボランティア登録をしました。留学生数が年々増えている広島大学で、今、私たちは多くの活動を行っています。


ボランティア活動の内容
 留学生センターに登録されたボランティアには、Eメールでセンターからいろいろな行事の通知や企画の依頼などがなされます。代表的な活動には「ボランティアチューター」があり、日本に来たばかりの留学生がここでの生活に早く慣れるようにと、いろいろなサポートをしています。また、多くの人と知り合い、共に楽しむ場をつくる活動としては、インターナショナルティータイムやソフトバレーボール大会を企画・運営しています。さらに、私たちは留学生との交流をより深いものにするために、歓迎会や花見、パーティー等の行事も独自で行っています。

一年を振り返って
 様々な活動の中でも一番力の入ったものは、昨年十二月十七日に開かれた広島大学外国人留学生懇親会です。この懇親会は毎年学長が主催し、留学生やその担当教官、外国人研究員、関係者等を招待するものであり、それまでの学内の活動に比べると全く規模の異なるものでした。「新しく誕生した国際交流ボランティアのスタッフに、出席者相互の親睦を深めるためのアトラクションを企画・運営してもらいたい」という期待に応えようと、私たちは会議に会議を重ねました。そして、従来行われていた留学生による出し物に加え、数字の代わりに留学生の出身国名を用いたビンゴ大会、ボランティアによるハンドベルの演奏、参加者全員による“We are the world”の合唱を提案し、準備しました。留学生の出し物の募集やビンゴ大会の準備、プログラム作成等の作業と並行して、ハンドベルと合唱の練習を行ったので、懇親会直前の2週間前はかなり忙しくなりました。初めての活動だったためいくつかのハプニングもありましたが、どうにか成功を収めることができました。あの時感じた、言葉では言い表せないほどの達成感や感動は今でも心に強く残っています。
 留学生懇親会のスタッフとして共に活動した私たちは、その後も何か大きな絆のようなもので結ばれ、メールを交わしては集まり、話に花を咲かせたりしています。共に考え苦しみ、最後に思いきり笑うことのできた時、人との関係はより深くなり、自分を成長させることができるのだと強く感じました。「仲間」というのはこういうことをいうのだろうと思います。


ボランティアは誰のため
 国際交流ボランティアでの活動を通して私たちが学んだことは、ボランティア活動とは「誰か」に何かをしてあげることではなく「自分」を成長させることだ、ということです。これは、自分たちで企画・運営した活動からだけでなく、一見「留学生のため」と思われがちなチューター活動などからも学ぶことができました。「人と人とのつながりの大切さ」や「生きがい」を見つけた人、「一歩踏み出す勇気と頑張りがあれば、結果はおのずとやってくる。」と考えるようになった人、とそれぞれ言葉や思いは違いますが、この活動を通して私たちが前へ進み始めたのは確かだと思います。
 ボランティアスタッフの中には、今年の三月に卒業して既に社会人として働いている人もいれば、現在留学中の人もいます。また、広島大学で新しい国際交流活動を行おうと計画している人もいます。皆それぞれの「みち」を歩んでゆくのですが、この活動で学んだことと私たちの友情は、確実に新しい活動の支えとなっています。これからも仲間と共に、そして新たに加わるスタッフと共に、自分の中に蒔いた新しい種を大切に育て、花を咲かせ、実を結ばせたいと思っています。


留学生懇親会を無事に終え、成功の喜びで胸が一杯のスタッフたち
 

国際交流ボランティア http://www.ipc.hiroshima-u.ac.jp/~intvol/
留学生センター http://www.iie.hiroshima-u.ac.jp/

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