私の属しているある研究会で、拙著を書評してくれると編集委員の方から聞き、「あなたが読んでくれるの?」と問うたら、「あんなテクニカルな本よう読めんで」と名古屋弁?で返された。「はて、テクニカルとはいかなる意味か?」と考え込んだが、ぴんとこない。少しして「オタッキー」(「オタク」の形容詞形)ならあてはまるかもしれないと思い当たった。最近、「○○の冒険」などと題する哲学の出版など相次ぎ、思想なき二十世紀末の人文・社会科学は工夫に余念がない。そんな風潮とは関係なく、戦後大学改革に関する政策文書を集めて分析し、その分析のプロセスにかなりのウェイトをおいたこの本は、関心のない人にはまず「面白くない」だろうなと、確信している。「面白い」と書けばだまされて買ってくれる読者もいるかもしれないが、不当表示で訴えられるのは明白だから正直に書く。
プロフィール (はた・たかし) ☆一九五二年北海道生まれ ☆一九九四年から広島大学 大学教育研究センター勤務 |