創立50周年記念事業が盛大に行われた。記念式典に始まり,各部局ではシンポジウム,講演会や学部公開など数多くの行事が開催され,半世紀を振り返り21世紀へ向けての本学の進むべき方向性や展望が示された。
記念式典
平成十一年十一月五日快晴。広島大学創立五十周年記念式典は,西体育館武道場で飯島宗一、竹山晴夫、頼實正弘の元学長を始め、佐藤禎一文部事務次官や多くの来賓、大学関係者等約六八○人が出席し、武者小路千家十四代家元千宗守氏による厳粛な献茶式に始まった。
原田学長は、式辞の中で次のように決意を述べた。
「この五十年の間、森戸初代学長の『自由で平和な一つの大学』という建学の理念を土台として、学部及び大学院の整備充実が行われて来た。その間、総合大学としての統合移転を決定し、東広島キャンパスへの移転が昭和五十七年に開始され、平成九年に完了した。それを機に、平成七年、本学が二十一世紀に向けて進むべき理念として『平和を希求する精神』『新たなる知の創造』『豊かな人間性を培う教育』『地域社会・国際社会との共存』『絶えざる自己変革』が打ち出され、着々とその理念の実現に向けての取り組みが行われている。今、国立大学は独立行政法人化という大きな波に遭遇している。本学は日本社会の動きに取り残され、飲み込まれるというのではなく、大きく自己改革をし、いかなる外圧にも自らの力で対応し、知的アカデミズムを次世代に向けて継承発展させねばならない。更に、少子化の流れの中で生き残るには、学部の規模を縮小したり、質の高い大学院への変換が必要であり、高齢化社会に対する大学の役割として、意欲有る六十歳以上の人たちにも門戸を開き、新しい教育環境を作りたい。最後に、二十一世紀を前にし、近隣、全国、世界の大学と協調しながら、知的文化の未来を切り拓く一翼を担い、人類の知的資産を守り発展させたい。」
続いて、中曽根弘文文部大臣や来賓からの祝辞を頂き、式典は盛会裏に執り行われた。
記念祝賀会
記念式典に引き続き、西体育館アリーナで記念祝賀会が開催された。原田学長は「創立五十周年にあたって大学改革の方向として五つの理念に基づき、人間教育の場としての大学、国際水準の大学、また地域に開かれた大学を目指しているので今後皆様のますますの御支援を賜りたい」と述べた。来賓による祝辞を頂き、鏡開きが行われ、放送大学学園井上孝美理事長の乾杯の御発声で祝宴が始まった。美酒や話に酔い、竹下虎之助前広島県知事の万歳三唱で祝宴は終了した。出席者全員に記念誌『広島大学の50年』が配布された。
式辞を述べる原田学長
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厳粛な献茶式
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文部大臣祝辞を代読される佐藤文部事務次官
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総勢20名による鏡開き
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『広島大学の50年』
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